どんなに時代が変わろうとも、本が人類の知的財産であることに変わりはありません。
少年の時分より、本を師と仰ぐ髙久 多樂がさまざまなジャンルから独断と偏見で選んだ300冊の本。
本選びの際の参考書として、活用してください。【テキスト/髙久 多樂】
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file.214『信長の棺』加藤廣 文春文庫
経営コンサルタントだった著者が75歳のときに発表したデビュー作というだけでじゅうぶん異色だが、内容も異色。本能寺の変の後、信長の遺体はついに発見されなかったが、そこに着目した歴史ミ…
file.213『萌木の国』今森光彦 世界文化社
ネイチャー写真家として、今森光彦はかなり地味である。彼は、猛獣が獲物を仕留める瞬間や生態が謎だらけの生き物の正体を暴くような決定的瞬間など、多くのネイチャー写真家が狙う写真にはとん…
file.212『不撓不屈』高杉良 新潮文庫
いかな辣腕政治家であっても国税局と検察庁はコワイらしい。それほどこの2つの組織には強大な国家権力が与えられているのだが、この作品は一介の会計士が国税局と検察を敵に回して7年に及ぶ闘…
file.211『シーシュポスの神話』A.カミュ 清水徹訳 新潮文庫
カミュといえば連想的に不条理という言葉が浮かぶが、本書は不条理を理論的に解説した書である。そのほとんどは「不条理の論証」「不条理な人間」「不条理な創造」という哲学的エッセイに費やさ…
file.210『革命前夜』須賀しのぶ 文春文庫
音楽と共産主義革命をからめた小説といえば、髙樹のぶ子の『百年の預言』を連想するが、この作品も完成度が高い。なぜかクラシック音楽と政治的原理主義は親和性がある。考えてもみてほしい。ヒ…
file.208『赤ひげ診療譚』山本周五郎 新潮文庫
山本周五郎といえば、直木賞を辞退したことで知られる。理由がふるっている。「もっと新しい作家や作品に賞が与えられるべきだ」。新人作家のために道を譲ったのだ。また「作品を完璧な形で仕上…
file.207『ミカドの肖像』猪瀬直樹 小学館文庫
この国で天皇についてネガティブに語ることは、勇気が要る。言論界にも〝犯すべからざる神域〟が存在しているからだ。私は天皇(あるいは皇室)について、人並みの崇敬を抱いている。本コラムで…
file.206『王道』A.マルロー 川村克己訳 中央公論社
アンドレ・マルローの多才ぶりには驚かされるばかり。本題に入る前に、彼の経歴を簡単に紹介しよう。1901年、パリ生まれ。若くしてパリ東洋語学校で東洋の言語を学ぶ。在学中にドイツ系の女…
file.205『逝きし世の面影』渡辺京二 平凡社ライブラリー
幕末から明治期にかけて来日した外国人が、日本に対する印象を書き記した日記などの引用を目にすることがある。概ね、絶賛に近い。正直に書けば、ほんとうにそうだったのだろうかと疑問に思うこ…


























