第9回タカタラ賞、発表!
また美術のテーマになってしまった。
幼児を含め、罪のない無辜の民を何百・何千人と殺して得意になっている狂人たち(もちろんトランプやプーチン、ネタニヤフ)を批判したところで憂さ晴らしにもならない。それより人間の良き面を見つめていたい。
これまでいくつかの公募展のなかから勝手に入選作品を発表してきたが、「じゃあ、国内最高峰と言われる日展はどんな作品があるの?」と疑問を抱いた人が若干数いるのではないかと都合よく想像し、昨年11月に観た日展のなかからタカタラ賞入選作を発表する。撮影点数は66点。いい作品がたくさんあるため、何度かに分けて発表したい。
星野宏喜「吾が牛」。このど迫力! 引っ掻いたような線だけで、牛のマッス(量感)を表現している。観ている者に向かって突進してきそうな勢いだ

上の作品をアップで見ると、こんな感じ。ほぼ直線だけで描いているのがわかる

川崎麻児「Line」。現代の琳派と言っていい。電柱は風景を汚くする張本人と見られがちだが、金を背景にしたシルエットはじつにユニーク。実際の風景はつまらないが、この作者の見方が豊かということだろう。ここに美術の本質がある

川崎渉「観」。このおどろおどろしい滝はなんだ? 霊気が漂っている。墨だけで迫力のある深淵な世界を描いている

慶野智子「ひまわり残花」。命が朽ちていく姿はけっして醜悪ではない。むしろ美しいと思う。宙に浮かんだようなネコがアクセントになっている

杉山雅子「池Ⅱ・晩秋」。晩秋の池の一瞬をとらえたもの。引っ掻いた線にセンスが凝縮されている

村居正之「富士黎明」。ありふれた画題に挑戦するだけで勇気ある。残雪を被った不二はまさに二つとない、唯一無二のものだ

乙部亮「空と砂」。砂と空がひとつつながりになっている。砂場に生える雑草がたくましい

井上律子「秋を編む」。このシーンを写真で写したら、けっしてこんなふうにはならない。これはまさに作者が観た世界。写実を超えた感性のひらめきがある

(260519 第1320回)
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