死ぬまでに読むべき300冊の本
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Introduction

どんなに時代が変わろうとも、本が人類の知的財産であることに変わりはありません。
少年の時分より、本を師と仰ぐ髙久多美男がさまざまなジャンルから独断と偏見で選んだ300冊の本。
本選びの際の参考書として、活用してください。(テキスト/高久 多美男)

300 Books Topics

柔軟で自由自在な発想の妙
file.012 『退歩を学べ』森政弘 アーユスの森新書
 本書は「読書のすすめ」という書店の名物店主・清水克衛氏から薦めれて購入したが、しばらく未読の書棚に入ったままだった。「退歩」という言葉にネガティブな印象を抱いていたからだ。しかし、よくよく表紙を見ると「ロボット博士の仏教的省察」とサブタイトルがついている。 私はこういう表現に弱い。つまり、「Aなの
 
昔の日本人がたまらなく誇りに思える
file.011『食と日本人の知恵』小泉武夫 岩波現代文庫
 日本有数の食いしん坊・小泉武夫の代表作のひとつ。 もともと発酵学者である。東京農大で食文化論などをテーマに教鞭もふるっている。 以前、彼はこう言っていた。「私はゲテモノ、珍食、奇食という言い方は嫌いなんです。全部その土地の知恵の食べ物なんです。どの民族も生きるための知恵として食行為があるんです」 
 
簡潔にして鋼のようなしなやかさ
file.010『ヘミングウェイ全短編』アーネスト・ヘミングウェイ 新潮社
「世界初の完璧な短編全集。待望の日本語永久保存版」と帯に銘打っているように、未発表を含めたすべての短編が収められたもので、豪華な化粧ケースに入っている。デザインも秀逸。持っているだけで特別な気持ちになる。 ヘミングウェイの初期短編集『われらの時代』『男だけの世界』『勝者に報酬はない』の3冊に、『キリ
 
本質がぎょうさん詰まった、木の話
file.009『『木のいのち木のこころ』(天・地・人)』西岡常一・小川三夫・塩野米松 新潮OH!文庫
 すべてに通じる普遍性が、語り言葉で凝縮されている珠玉の(あ、陳腐な言葉を使ってしまった!)3冊組は、高邁な哲学書に匹敵する世紀の名著(また!)である。 最後の法隆寺・宮大工棟梁である西岡常一と彼の唯一の弟子である小川三夫、そして小川の弟子たちの話をまとめた3冊は、宮大工に限っての話ではない。教育論
 
揺れ動く純な若者の心と厄介な社会
file.008『竹林精舎』玄侑宗久 朝日新聞出版
 禅宗の僧侶であり、芥川賞作家でもある玄侑宗久の最新長編作。 玄侑の作品はかなり読んでいる。東日本大震災をテーマにした短編集『光の山』(芸術選奨文部科学省受賞)はなかでも秀でていると思っていたが、本作はそれをも凌ぐ。 なんといっても著者の眼力の射程距離が伸縮自在だ。原発事故後の福島の現状と放射性物質
 
現実の世界と深層心理の世界をつなぐなにか
file.007『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹 新潮社
 村上春樹はデビュー作『風の歌を聴け』からすべてリアルタイムで読んでいる。次作の『1973 年のピンボール』までは、時代を表した軽い小説としてしかとらえていなかったが(それでいて買って読んでいるのだから、なにか引っかかるところはあったのだろうが)、その次の『羊をめぐる冒険』で、この作家に対する関心が
 
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