死ぬまでに読むべき300冊の本
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Introduction

どんなに時代が変わろうとも、本が人類の知的財産であることに変わりはありません。
少年の時分より、本を師と仰ぐ髙久多美男がさまざまなジャンルから独断と偏見で選んだ300冊の本。
本選びの際の参考書として、活用してください。(テキスト/高久 多美男)

300 Books Topics

揺れ動く純な若者の心と厄介な社会
file.008『竹林精舎』玄侑宗久 朝日新聞出版
 禅宗の僧侶であり、芥川賞作家でもある玄侑宗久の最新長編作。 玄侑の作品はかなり読んでいる。東日本大震災をテーマにした短編集『光の山』(芸術選奨文部科学省受賞)はなかでも秀でていると思っていたが、本作はそれをも凌ぐ。 なんといっても著者の眼力の射程距離が伸縮自在だ。原発事故後の福島の現状と放射性物質
 
現実の世界と深層心理の世界をつなぐなにか
file.007『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹 新潮社
 村上春樹はデビュー作『風の歌を聴け』からすべてリアルタイムで読んでいる。次作の『1973 年のピンボール』までは、時代を表した軽い小説としてしかとらえていなかったが(それでいて買って読んでいるのだから、なにか引っかかるところはあったのだろうが)、その次の『羊をめぐる冒険』で、この作家に対する関心が
 
読者の想像力を喚起する未完の大作
file.006『死せる魂』ニコライ・ゴーゴリ 岩波文庫
 未完成の作品である。シューベルトの「未完成」のように体裁が整っているのならまだしも、この作品は大事なものが決定的に欠けている。ゴーゴリはダンテの『神曲』をも意識して3部構成で書き始めたと言われるが、残っているのは第1部のみ。第2部は最晩年の狂乱状態の時、暖炉に投げ込んでしまったという。残された第1
 
凄みのある知性と、それに食らいつく学生たち
file.005『学生との対話 小林秀雄』国民文化研究会/新潮社編 新潮文庫
 夜盗に入った下手人に組み敷かれ、ナイフを喉元に突きつけられても冷静さを失わずに説教し、改心した男が後日、菓子折りを持って小林秀雄のもとを再び訪ねたというエピソードがあるが、この本を読むと、「なるほど」と納得できる。胆力の人である。 小林は昭和36年から53年の間に5回、九州を訪れ、学生たちに講義を
 
戦争と人種のちがいを超えた愛の讃歌
file.004『日々の光』ジェイ・ルービン著 新潮社
 アメリカ人作家・ジェイ・ルービンは、夏目漱石や芥川龍之介、村上春樹などを英訳している。75歳を過ぎて初の小説を出したというのがユニークだ。 もっとも、作品は1987年末に仕上がっていたのだが、日系人収容所をテーマにした作品であるため、出版の機が熟していなかったらしい。レーガン大統領(当時)が戦前か
 
葛藤を抑える、知的な大人のラブストーリー
file.003『マチネの終わりに』平野啓一郎著 毎日新聞出版
 男女の恋愛物語といえば、行間に情念が溢れかえっているようなものが多い。しかし、この作品は、理や知が情念を抑えている。そういう意味では、現代版・藤沢周平と言えなくもない。 主人公は、世界的なクラシックギタリスト・蒔野聡史と国際ジャーナリストとして活躍する小峰洋子、そして蒔野のマネージャー三谷早苗。洋
 
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