海の向こうのイケてる言葉

ADVERTISING

紺碧の将

Easy come, easy go.

ことわざ

 驚いた。つねづね「すぐに得たものはすぐに失われる」と言っているが、それと同じ意味のことわざがあったなんて。もっとも、「得やすいものは失うのも早い」は本質中の本質であり、ことわざとしてあってもちっとも不思議ではないが。

 なのに身の周りを見渡せば、すぐに得るための情報が溢れている。それだけ多くの人がすぐに得ることを望んでいるからだろう。

 そんな折、750ページもの歴史小説を書き、本にするなど時代錯誤も甚だしいと思う。一方、すぐに答えを得ようとしないアプローチはけっして間違っていないとも思う。さあ、どちらなのか? それはわからない。しかし、わからないからこそ面白い。

 いま、人間としての最大の経営資源は、健全な心身を保つことだと思っている。最期を迎えるときは、それが崩れ去るときだ。それまで健全であることがどれほど多くの幸福と利益をもたらしてくれることか。

 もちろん、それを得るために近道はない。Easy come, easy goなのだから。

(第125回 240303)

 

髙久多樂の新刊『紺碧の将』発売中

https://www.compass-point.jp/book/konpeki.html

 

本サイトの髙久の連載記事

◆多樂スパイス

◆死ぬまでに読むべき300冊の本

◆音楽を食べて大きくなった

ADVERTISING

Recommend

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ