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紺碧の将

5歳を祝うついでに、ネコの知恵を借りる

2026.06.27

 わが家の詩(三毛)と空(サバトラ三毛)が5歳の誕生日を迎えた。2日後になってしまったが、アンリ・シャルパンティエのケーキを買ってきて、お祝いをした。

 あれからすでに5年の月日が経ったのかと感慨深い。その分、私たちも歳をとった。

 1年前の誕生日に際して、本ブログでこんなことを書いた。

 ――どんなに豊かな社会になっても人間は煩悩の焔に炙られ、心身を病んでいる人が多いというのに、ネコたちの生き様はどうだろう。過ぎてしまったことやこれから起こり得ることにはいっさい頓着せず、ひたすら目の前のことに没我しているか、心をまっさらにして悠然としている。

 その思いは今も変わらないどころか、強くなるばかりである。他の生き物もそうだが、ネコは〝ほどほど〟をわきまえている。自分、つまり〝自らの分〟に応じて日々生きている。しかし、人間だけが欲望を際限なく肥大化させ、それによって他の生き物を犠牲にし、環境に多大な負荷を与え、最終的に自分たちの首を締めている。

 最近知ったのだが、奥日光のシカ被害(繁殖したシカによって樹木の皮が食べられ、枯れていく)の遠因は、人間がシカを大量に捕獲したことによるという。どうして大量捕獲が個体数が増えすぎる原因になるの? と思ったが、そこにはきちんと因果関係があった。

 まず人間はシカの肉が売れるとわかり、シカを大量に捕獲した。当時、奥日光にはシカの缶詰工場も造られたという。もちろん、経済効率のためだ。捕獲した矢先、バンバン食肉にし、缶に詰める。するとどうなるか。まず、シカを食糧としていたオオカミが影響を受けた。飢えたオオカミは食べ物を求め、人里に近づき、それによって害獣と認定され、駆除されるようになった。食糧不足と人間による駆除が相まってあっという間にオオカミは絶滅してしまい、天敵がいなくなったことによりシカの大繁殖が始まったというわけだ。

 このような事例はたくさんある。要は、人間が余計なことをすればするほど、自然界の秩序が壊れるということだ。最近頻発する山火事も人災に他ならない。

 今、私が最も懸念するのは〝ほどほど〟を知らないAIの開発である。うまくすれば人間を助けるツールとなって共存も図れるだろうが、欲に駆られた人間が〝ほどほど〟で済ませるわけはない。世界中に余っている投資マネーを日夜働かせるにはAIへの投資が最適である。現にAIによって仕事を奪われた人が急増し、これからも破竹の勢いで増え続けるだろう。

「どうすればいいの?」と詩や空に訊いたが、まったく猫耳東風で大あくびなどしている。

「かなわないよ、おまえたちには」

 飼い主はトホホと退散する以外にないのである。

(260627 第1326回)

 

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