The discontented man finds no easy chair.
ベンジャミン・フランクリン
事業家として成功を収め、政治家・外交官でもあり、物理学者・気象学者でもあるベンジャミン・フランクリンは、多彩な才能をもつ人特有の名言で後世の人間たちに深い示唆を与えてくれる。
上掲の言葉の意味は「不満を持っている人は、安楽な椅子を見つけることはできない」。
これと似たような格言はほかにもたくさんある。それだけ実行することが難しいということだろう。
福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず〜」は、「もともと人間は同じはずなのに結果的に大きな差が生じている。それは学ぶか学ばないかによる」という意味である。
もちろん、それも一理ある。だがそれ以前に両者を分けるのは、物事の悪い面だけを見て不満たらたらの日々を過ごすのか、物事の良い面を見て楽観的に対処するかのちがいではないか。
不満の多い人は、環境汚染に等しい。心ある人がそういう人の周りから去っていくのは当然である。反面、その人の周りに残るのは、同じように不満ばかりを口にする人。つまり悪循環の流れを自らつくっている。
自分が発する言葉に耳を澄ませてみよう。不満が混じっていたら、早めに取り除くようにしたい。
(第124回 240206)
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