死ぬまでに読むべき300冊の本
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Introduction

どんなに時代が変わろうとも、本が人類の知的財産であることに変わりはありません。少年の時分より、本を師と仰ぐ髙久多美男がさまざまなジャンルから独断と偏見で選んだ300冊の本。本選びの際の参考書として、活用してください。(テキスト/高久 多美男)

300 Books Topics

大胆な歴史的仮説と崇高な男女の交合
file.016 『吉原御免状』隆慶一郎 新潮文庫
 これほど大胆で壮大、しかも緻密な時代小説があったのか!この作品を読みながら、何度も唸らせられた。隆慶一郎が61歳のときに発表したデビュー作『吉原御免状』のシーンの数々は映像のようにくっきりと脳裏に焼きついた。 まず構成が緻密である。時代は徳川家綱の世。江戸幕府の政策が全国にあま
ゴケグモのような男の滑稽さ
file.015『痴人の愛』谷崎潤一郎 新潮文庫
 冒頭から不穏な空気をはらんでいる。「私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いて見ようと思います」いきなり告白である。最初からこの調子で開き直られては、こちらも胸襟を開いて読む以外にない。
面白い小説のお手本
file.014『『三銃士』庫』アレクサンドル・デュマ 生島遼一訳 岩波文庫
 アレクサンドル・デュマ、本コラムでは早くも2作目の登場。子供の頃、胸をワクワクさせながら読んだ『三銃士』。簡略版ではなく完全版はどういう内容だろうと興味が湧き、手にとった。 岩波文庫の上下巻で合計1200ページを超える大作。しかも、『三銃士』は全体の4分の1に過ぎず、『二十年後
樹木は人間と同じ
file.013 『樹木たちの知られざる生活』ペーター・ヴォールレーベン 早川書房
 植物の意外な能力について書かれた本が好きでたくさん読んでいるが、そのなかでも本書はめっぽう面白い。 著者のペーター・ヴォールレーベンは1964年、ドイツのボン生まれ。大学を卒業後、行政の立場から森林管理に携わっていたが、そこで彼が見たものは、採算性や人間の都合ばかりを優先した林
柔軟で自由自在な発想の妙
file.012 『退歩を学べ』森政弘 アーユスの森新書
 本書は「読書のすすめ」という書店の名物店主・清水克衛氏から薦めれて購入したが、しばらく未読の書棚に入ったままだった。「退歩」という言葉にネガティブな印象を抱いていたからだ。しかし、よくよく表紙を見ると「ロボット博士の仏教的省察」とサブタイトルがついている。 私はこういう表現に弱

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