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ココロバエ
美し人

いよいよ『本物の真髄』、発刊

2011.02.08

 2月15日、かねて進めてきた『本物の真髄』が刊行される。本ブログでは何度か言及してきたが、京都で〈オ・グルニエ・ドール〉というパティスリーを営む西原金蔵氏の仕事の流儀、人生観などをまとめた本である。この本の企画・取材・原稿、そして装幀まで私が担当した。分業が明確になっている出版業において、珍しいほどの “家内制手工業” ぶりである。

 ところで、この本の版元は我が社ではなく、なんと、たびたびこのブログに登場しては読者を笑わせている高久和男氏が理事長を務める学校法人三友学園である。

 

 昨年の7月、オトワレストランで「アラン・シャペル没後20周年記念イベント」が開催された。アラン・シャペルの最初の外国人弟子である音羽和紀シェフが料理を担当し、最後の弟子(というよりパートナーだった)西原金蔵氏がデセールを担当した。料理評論家の山本益弘氏も参加し、多くの客が故アラン・シャペルを偲んだ。

 その時、西原さんの3種類のデセールを食べ、「どうしてこんなに美味しいケーキが作れるのだろう!」と思ったオジサンがいた。会場にいた人は皆、そう思ったのだろうが、そのオジサンは極めて強くそう思ったのだった。

 そのオジサンこそ、われらが理事長・高久和男さんである(ちなみに和男さんはデセールともデザートとも言わず、ケーキと言う)。

 その翌月、私と和男さんは南アルプスの仙丈ヶ岳に登ったのだが、その帰り道、和男さんは突然こんなことを言った。

 「西原さんの本を作れないかなあ」

 自分が経営する三友学園で出版部を作り、その最初の本にしたいという。

 三友学園は和男さんの父が創設し、爾来、35年にわたって調理師や栄養士など、食関連の人材を輩出している。料理専門学校、栄養士専門学校、製菓・製パン専門学校の3つの専門学校から送り出される生徒のほとんどは地元の食関連業界で働いている。独立開業する人も多く、外食産業が活発な宇都宮の一翼を担っている(ちなみに、イタリアンレストランの数は人口比で宇都宮が全国一だそうである)。

 ひとことで言えば、三友学園は地域密着の専門学校のお手本みたいなことをしているのである。

 その専門学校から出版される最初の本が、この『本物の真髄』というのはいかにも意義深い。

 西原さんはどんなにオファーを受けても多店舗展開をせず、出版のオファーもすべて断ってきた。分不相応にたくさん作れば必ず品質が落ちる、あるいはレシピを本にしたところで何も意味はないと思っているからだ。

 しかし、『魂の伝承』と『fooga』での2度にわたる取材の過程で私を信用してくれたのだろう。今回の出版の企画には二つ返事で快諾していただいた。

 であるからにして、執筆に精魂込めたのは言うまでもない。

 ある限定部数だけ、弊社でも販売させてもらうことにした。購入したい方は、近日アップされる当ホームページ内の申し込みフォームを活用してください。

 料理だけではなく、人生全般に通用する「人生哲学の本」であると断言しておきます。

(110208 第228回 写真は『本物の真髄』の表紙)

 

 

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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