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紺碧の将

国産木材の勝機

2023.02.06

 国産木材を使った木造ビルが増えているという。

 背景にあるのは、円安やロシアのウクライナ侵攻によって外国産材の価格が高止まりしていること。そこに目をつけた大手不動産・ゼネコン各社が競って国産材を調達しているという。

 しかも、直径20センチの木材より、「育ちすぎた」30センチ超の大径木の方が安いというのだから面白い。理由は、加工しづらいから。近年、新しい集成法により、木材でもコンクリートに匹敵するほどの強度や耐火性を獲得していることも大きい。

 長年、日本の森は放ったらかにされてきた。国土緑化などと称して、もともと緑豊かだったのに、雑木を伐採し、スギを植林した。しかし、安い外国産がたくさん入ってきたことでそのまま放ったらかしにされた。

 話はそれだけで終わらない。スギは大量の花粉を列島にばらまき、多くの国民が花粉症なる変な病に罹ってしまった(筆者もその一人)。地盤が弱くなり、洪水被害を起こしている。景観上もよろしくない。それらの経済損失は膨大である。

 国産材にとって有利な状況がいつまで続くかわからないが、日本の森林が生き返ることを願っている。なんといっても、国土の約70%を占めているのだから。

(220206 第1166回 写真は銀座8丁目にあるヒューリックの木造ビル)

 

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