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紺碧の将

「最高の国」ランキング

2022.07.18

 あまり知られていないが、「最高の国」ランキングというものがある。「USニューズ&ワールド・レポート」という雑誌が毎年選定しているもので、78ヶ国を対象にハード面のみならず総合的な指標で各国の価値を分析することを目的とし、今年で6回目を数える。1万7000人以上に行ったアンケートをベースに、76項目の評価項目を加味し、順位づけしている。

 76項目の評価項目は「冒険(旅先としての刺激)」「俊敏さ」「文化的影響」「起業家精神」「伝統」「将来の成長見込」「ビジネスの容易さ」「パワー(外交・軍事)」「社会正義」「人生の質」という10のカテゴリにグループ化され、それぞれスコアを算出している。各スコアを正規化し、項目間で比較できるよう統計的に処理したうえで総合スコアを算定している。世の中にはさまざまなランキングがあるが、アンケートの対象者が世界の多岐にわたっていること、世界の国々を知っている人を選んでいるという点で、このランキングはかなり信憑性が高いといえる。

 2021年版「最高の国レポート」では、日本は昨年の3位から1ランク上昇し、カナダに次ぐ2位となった。カテゴリ別では、起業家精神が1位、文化的影響力が5位と評価されている。

 ちなみに総合ランキングのトップ10は次のとおり。欧米以外は日本だけである。

 

1位:カナダ

2位:日本

3位:ドイツ

4位:スイス

5位:オーストラリア

6位:アメリカ

7位:ニュージーランド

8位:イギリス

9位:スウェーデン

10位:オランダ

 

 世界の多くの人が日本を「いい国」と思っていることはまちがいない。日本人はきわめて自虐性の強い国民であるため、このような評価を素直に喜ばない傾向があるが、私は額面通りに受け止めている。どころか、カナダより上じゃないか、つまり世界最高の国ではないかとさえ思っている(カナダには行ったことがないが)。この国の様子を見ればわかる。重箱の隅をつついたうえルーペで観察し、「こんな埃が入っていたぞ」と声高に叫ぶような人はともかく、日本は人類史にないくらい、高度な社会制度をつくりあげたと思う。まさしく〝至れり尽くせり〟の国だ。物価高と言われるが、インフレ率はG7のなかで群を抜いて低い。新型コロナの人口あたり死者数も同様だ。完全失業率も圧倒的に低い。諸外国の政府首脳からすれば、いったいどういう手を使っているのかと疑問に思うにちがいない。

 そういう社会に導いたのは言うまでもなく自民党だ。もし、民主党(現立憲民主党・国民民主党)の長期政権だったとしたら、どうなっていただろう。まったく様相が変わっていたはずだ。もし、共産党政権だったとしたら? 経済はガタガタ、人権もなく、恐怖政治によって多くの人が粛清され、もちろん言論も弾圧されていただろう。歴史に学べば、そういう結論に達するしかない。

 私は純然たる自民党支持者ではないが、実際になされたことに対しては、公正に評価したいという気持ちはつねにもっている。どう考えても自民党の功績を評価しないわけにはいかないのだ。さらに近年でいえば、安倍元首相の功績は大きい。国葬をもってそれを讃えるというのは当然といえば当然のことだ。

 ひとつ、首をかしげたのは、日本が起業家精神のカテゴリでトップとなったこと。日本はサラリーマンや公務員が多いという印象をもっていたが、この結果は意外である。

 しかし、実態はその通りなのかもしれない。事実、私が懇意にしている人の多くは、自分で事業を営んでいる。そのほとんどが自由な人生を謳歌していて、評価カテゴリの「人生の質」においては満点に近いような日々をおくっていると映る。私の娘も昨年、起業したが、仕事があまりなくても楽しそうにやっている。数十年前にはありえなかったことだ。

 ……と、ここまではビッグデータの話。全体の評価がどうあろうと、個々の人生は一色ではない。

 これほど恵まれた環境下に生まれたという幸運を活かし、どのような人生をおくるのかは個々人にかかっている。少なくとも、世界の国々の現況を見ることをせず、「あれも悪い、これも悪い」と不平不満ばかり言っている人はいい人生をおくることはできまい。一生愚痴ってなさいと言うしかない。

 (220709 第1136回)

 

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