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紺碧の将

ファインダーの向こう側 2

2020.06.30

 写真家の大橋健志さんが天国に旅立ってから120日が過ぎた。享年54歳の若さであった。「写真とビーズの二人展をしようね」と、近い未来に希望を抱いていたのに永遠に叶わぬ夢となってしまった。人生とはこういうもの、涙を拭ったら生かされている者は前へ進むしかない。

 20年間の思い出と感謝の気持ちを込めて「木曽康子ベストセレクション12」を彼に奉げよう。

 

 

 

ネックレス

 

 オレンジの石にグリーンとブラウンのビーズを絡めた思いっきり個性派のネックレス。今は手元にないけれど、若かったから作れたかもしれないエネルギーが一枚の写真に溢れている。

 

 

 

 

エルムレス

 

 エルムレスは、数えきれないほどの小花を順次に開きながら長く伸びていく。作り手の私には気の遠くなる作業なのだけれど、ファインダーの向こう側はうっとりとする風景。癒されます!!

 

 

 

 

ライラック

 

 柔らかい陽射しを受け目覚めつつあるライラック、優しいビーズの風景です。

 

 

 

 

オールドローズ

 

 「薔薇の宮廷画家」と呼ばれたルドゥーテ1759-1840の、大きく重い図版TASCHEN社刊)を私は長年愛読しているが、いつの間にかルドゥーテの薔薇に染まってしまい、柔らかい風情のオールドローズを作り続けている。私の気持ちにぴったりのこの色合い、風合いが表現されている大切な一枚。

 

 

 

 

カーネーション

 

 どこか異国の石を細かく粉砕したようなスモーキーなビーズと、和風モダンな焼き物の器が出会い、砂丘へ迷い込んだ不思議な感覚に囚われる構図の妙。ビーズの品格と言ったら褒め過ぎでしょうか。

 

 

 

 

グリーンボール

 

 ハッポウスチロールの玉にワイヤーを通したグリーンのビーズをくるくる、くるくる巻き込んでいく。うとうとするような午後のひと時……、単純な形だけど、こんもりと積み上がった様子はちょっと感動もの。小さい子の手に載せると嬉しそうに握りしめている。

 

 

 

 

帯に椿

 

 吉祥模様のめでたい袋帯に一輪の椿を置いてみた。ぽとりと落下したような赤い椿の存在感は、帯の風格にも負けず色っぽい。カメラの視線はビーズの魅力を立ち上がらせ、椿姫饗宴が始まる。

 

 

 

 

 

ダリア

 

 ダリアを見つめていると心がドキドキしてくる。自然界のダリアに負けないビーズの迫力を注ぎ込もう。「私を見て!」と50枚もの花弁がファインダーの中から飛び出してきた。

 

 

 

 

 

 酒井抱一作「藤花図」をバックに難しい構図を撮ってもらった。いまだに一番人気のある藤ではあるが、もっと精進して私ならではのビーズフラワーの藤に挑戦したい。

 

 

 

 

チューリップ

 

 何故か好きな一枚。きっと私の大好きなロンドンジンのボトルが集まったからであろう。チューリップたちもあっち向きこっち向き酔いどれ気分である。どこかのバーに飾ってもらいましょうよ、と二人でカンパイしましたっけ。

 

 

 

 

あじさいのドアリース

 

 ドアや壁を飾る絵画や時計、鏡、器などはインテリアとしても重要な役目を果たすと考えている。ビーズ作品もその仲間に加えてもらいたいものである。ブルーの濃淡のビーズで作り上げたあじさいのドアリースは、お客を迎えるためのちょっとおしゃれな演出。

 

 

 

 

モダンながまの穂

 

 創作は楽しい。地味ながまの穂もおしゃれに変身。「あれは何?」そんな驚きの声が聞こえるのはすごく心弾むこと、思いっきりあやしい“何か”を創ってみたい。

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