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紺碧の将

「アグリカルチャー」は地球を救う① ー私の朝の30分戦争ー

2023.02.06

 今年の冬の寒さは格別なのか、将又寄る年波に私がついて行けないのか、朝起きには相当の覚悟がいる今日この頃である。

 夫の出勤に間に合わせるためには、朝食は6時30分がタイムリミット。だから起床は6時きっかりとなっている。もっと早く起きてもいいのだが、朝起きが超弱い私には無理というものである。反対に超強い我が夫が羨ましくもあり、本音を言えば恨めしい。何と新聞三紙をすでに読み終えているのだから、根本的に二人の体内構造は違うのだととっくにあきらめている。

 さて、30分で支度ができるの? と疑われそうだが、それが私流に事を進めれば可能なのである。さささっとベッドを整え、ぶるんと洗顔を果たし、キッチンに立つと6時10分。鍋にお湯を沸かし、ふつふつしてきたら削り節をひとつかみ投入して待つこと2分。その間に鮭か干物かあるいは鰤の味噌漬けかを焼き物皿に載せスイッチオン、焼き上がり9分の設定である。その9分の間に全てのメニューを取り仕切ろうという訳である。

 茄子と大根を切り、再加熱しただし汁に投入し柔らかくなるまで6分、隣に味噌と油揚げと葱もスタンバイしている。もう一品何が合うかな、と考える。今日は卵焼きと昨夜茹でたほうれん草のお浸しとしよう。卵焼きは薄甘く、ほうれん草には削り節をこんもりと。

 6時30分にセットしてある炊飯器がピピィっと合図を告げる頃は、それぞれの器に盛られた朝餉が美味しそうに並んでいる。と、実にスマートに20分の工程を披露してしまったが、そうなるためにはやはりひと工夫が必要なのである。寝ぼけ眼で今朝は何にしようかな、と冷蔵庫の中を物色していたのではとても間に合わない。前夜米を洗ってセットしながら、必要な食材をまな板の上に並べて置き、段取りを考えて休むことにしている。朝のスムーズな流れを作るために、そして5分でも長く朝寝坊が出来るための私の必殺技である。

 勿論休日は思い切って朝寝を楽しむこともしているが、こんなふうにここ3〜4年は続いている。そして私が目覚めたのは、味噌汁を作ることの楽しさと大切さであった。それは野菜たちのおかげでもある。なんて新鮮な野菜は美しくて逞しいのだろう。近所のスーパーへ出かけるとついあれもこれもと手に取ってしまう。

 蓮根と人参と牛蒡で何種類もの総菜が出来る。今が旬の白菜はゴマ油と花椒(ホアジャオ)で中華風漬物を、丸まるとして皮もきれいな里芋は素揚げにして甘味噌で頂こう! 何と立派な独活(うど)だ事! トマトもピーマンもつやつやキラキラ輝いていて目に飛び込んでくる。これで「私は料理が苦手です」とか、「出来ません」なんて言ってはいられないではないか。幾多の人の手わざと愛情に包まれて育った野菜たち、私は感謝の気持ちでいっぱいになる。誰にお礼を言っていいのか分からないから、神様に感謝のお祈りをしている。

 私は毎日美味しいものを頂き、大好きなビーズワーク三昧の日々でいられることが不思議だな、と思うことがある。誰かが私の肩代わりをしているに違いない。勿論わかりやすく言えば働き者の我が夫のおかげということになるのだろうけれど、それだけでは納得いかない思いがある。「あなたは縄文時代に生きていて、鍬や鋤を振るっていれば納得できるのね」「そんな元気も勇気もないくせに」と意地悪な別の私がうそぶいている。でも毎日思うことがある。いざ有事の場合は私も鍬や鋤を持つ心構えは持っている、と。何が出来るか分からないけれど、返って足手まといになるのが落ちかもしれないけれど、そう思って生きている。

 

 

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