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ココロバエ
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最後のフーガ・パーティー

2010.05.23

 去る4月28日、『fooga』の最後のパーティーが宇都宮のオトワレストランで行われた。

 サポーター、執筆者、そして特集で紹介した方々などを合わせ、約70人が集まり、有終の美を記すことができた。

 このパーティーを開いてもらった立場として、まずこの場を借りて感謝の気持ちを述べたい。

 冒頭のスピーチでも言ったが、8年間の『fooga』編集によって、最も恩恵を受けたのは私である。その都度、目の前の取材対象に対して最善を尽くしてきたという感があるが、それによって予想していなかった、さまざまなものを得ることができた。「雑誌編集ではなく人の編集である」、と常々思ってきたが、そのことを再認識できたパーティーであったと言っていい。

 それにしても、個性豊かな、と言えばスマートだが、アクの強い人が集まったものだ。皆、それぞれのフィールドでなんらかの成果をあげている人たちばかりである。そういう人が、自己顕示ではなく素直な心で人の功績を賞賛できる空気というものがこれほど清々しいものか、と思い知った人も多かったにちがいない。

 

 冒頭の和久文子さんによる箏の演奏は、まさに日本の文化の底力そのものだった。伝統的な箏の精神を保ちつつ、黒人特有のシンコペーションを取り入れたり、パーカッションの要素を取り入れたり、と、世界の演奏技法をうまく消化しているのだ。これは、いにしえから続く日本人の懐の深さである。一見、相容れないものをうまく消化し、新たな価値を築く能力を日本人はもっているのだ。

 その後は、私が一人ひとり紹介し、簡単なスピーチをしてもらった。予想以上に時間がかかってしまったが、それでも皆、真剣にそれぞれの話を聞いていた。珍しいケースだったと思う。

 

 さて、「『fooga』の休刊を惜しむ声は存外多かったが、当の私はスッキリしている。やるだけのことはやった、という充足感があるからだ。止めるタイミングも絶妙であったと思う。

 いつも思うのだが、退く時の判断をまちがったことはない。途中、あれやこれやと悩むのだが、最後は「えいやっ!」と何かが背中を押してくれる。もちろん、それは私専属の守護神なのだろう。

 ありがたいことである。私が自分の「勘」だけに頼っていられるのは、その見えない力のおかげである。

(100523 第169 写真は演奏前の和久文子さん)

 

 

 

 

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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