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ココロバエ
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自分勝手ビジネス

2018.02.14

 前回の小欄で、世の中の変化の一端を書いたが、どんなに変わろうとも、相変わらずなにもわからない人たちがいるようだ。

 先日、あるメガバンクから私の携帯に電話があった。仮にその銀行をM銀行としておこう(これで名前はバレバレ?)。

 若そうな行員曰く、その銀行の口座から、他行にあるわが社の口座へ振替をしてもらえないかと。数ヶ月に一回、M銀行の口座から、他の決済用口座に振替をしているのだが、それを今月か来月にしてもらいたいと言うのだ。

「どうしてですか」と訊くと、「キャンペーン中なんです」との答え。

「必要がなくても、ですか?」と重ねて訊くと、「そこをなんとかお願いしたいんです」と言う。

 またか、と思った。M銀行は数年前にも同じようなことを言ってきた。その時は、1件あたり100円値引きをするキャンペーン中だから、同銀行から振込をしてほしいと言ってきた。私は、ネットバンキングで一括して振り込んでいるため、分けることは非効率であると答えたが、「お得ですから」と引き下がらない。1件あたり100円引いたとしても、振込手配口座を2つに分けたとしたら手間が増える。創業以来、専任の事務員がいない弊社の場合、よけいな事務作業に手間を取られるのはマイナスなのだ。それがわかっていない、というか、わかろうとしない。そんなことを思い出した。

 私はくだんの若手行員に言った。

「あなたに言っても仕方がないけど、キャンペーンというのは、お宅の都合でしょう?」

 相手は、「それはわかっているのですが」と言って、笑っている。

 わかっていない。ほんとうにわかっていない。いつまでも自分勝手ビジネスが通用すると思っている。そもそもキャンペーンとは、戦争用語だ。ほとんどの場合、この国で使われているキャンペーンは、「自分たちの都合による理不尽な団体行動」である。

 もうメガバンクの時代は終わろうとしているのかもしれない。19,000人のリストラはその前触れなのだろう。そう考えると、変なキャンペーンの電話があっても大目にみてやらなくては、とも思う。

 それなのに、相変わらず、人気就職先ランキングでメガバンクは上位に入っている。学生たち本人がそう思っているのか、あるいは親にそう言われているのか。

 世の中は、不可思議なことだらけである。

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。最新のコラムは「作為の落とし穴。まさに、キャンペーンもそのなかのひとつ。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(180214 第789回 写真はフクジュソウ。もうすぐ春がやってくる)

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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