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紺碧の将

37歳と65歳

2024.04.06

 日本では4月といえば学校や会社の節目の季節だが、私にとっても同様である。

 起業してから37年が過ぎ、もうすぐ65歳になる。創業37年というのは我ながら驚き以外のなにものでもないが、高齢者になるというのはもっと驚きである。いまだに信じられない。

 

 起業するとき、将来どうなるかなんてまったく考えなかった。いつまで続けるとか、どんな会社にしたいとか……。目の前のことに夢中で、遠い未来のことなんか考えている余裕がなかった。もちろん、人生設計などというものは皆無。すべてが行き当たりばったりで、怖いものもなかった。だから30歳くらいで1億を超える借金ができたのだろう。

 そうこうするうち、まともなことを考える人間になってきた。なぜそうなったかといえば、〝守るべきもの〟が増えたからだ。別の言い方をすると、それを保守的ともいう。

 それにしても広告業界における37年間はすさまじいまでの変転の連続だった。起業した頃は手書きの企画書を提出していた。しかしある時期、アナログからデジタルに変わり、IT技術革新により広告の手法は著しく変わった。これからはもっと早いスピードで変わり続けるのだろう。出版界もいろいろ変わっているのだろうが、基本は旧態然としてあまり変わっていないと思う。

 さて、「本質、本質」と言い続けている会社はどうなるのか、先行きが見通せない。しかし、だからこそ面白いとも思える。だって、先がわかっていることをトレースするだけじゃ面白くない。

 

 65歳は高齢者にくくられるようだが、自分で言うのもなんだが、ますます意気盛んで体調も絶好調。感性は研ぎ澄まされ、やることなすことのほとんどが興味深い。

 とりわけ日々のトレーニング量を25%ほど増やしてから、諸事ますます意欲が出てきた。3月8日付小欄「インスパイアの応酬」で7年ぶりに会った知人に触発され、東京体育館のジムへ下見に行ったことを書いたが、そこでつぶさに観察するうち、「自宅でできる!」という結論に達した。

 今さら筋肉ムキムキになりたいわけではない。思ったように動けて、無駄のない姿勢が保てて、病を遠ざけることができればいいと思っている。そのためには、「毎日コツコツと継続する」ことが大切。そのためには自宅で、さらにいえば書斎でできることをするのが肝要。

 現在、毎朝正味約50分間、40種類近くの運動をしているが、やればやっただけ体は変わる。それを実感してから、さらに意欲が出てきた。一例をあげれば、、腕立て伏せは70回から125回に増量した。

 主なトレーニングは体幹を鍛えるもので、古武術の動きなどを参考に自分なりのメニューを考案した。体幹がしっかり整えば、座るときも立っているときも、歩いているときも軸がブレず、無駄な動きがなくなる。その結果、疲れにくくなる。

 もちろん、いろいろ工夫をしてもいつかはガタがくる。それはわかりきっているが、それをギリギリまで遅らせることはできる。だって、あっちが痛いこっちが痛い、体の調子が悪い、定期検診でひっかかって再検査(私は検診を受けていないが)、ひどい病気になって入院……なんてことになったら、他がどんなにうまくいっていてもすべて台無しになる。家族をはじめ、友人たちをもブルーにする。

 心身を健やかに保つには、血流の滞りをなくすこと。血流を阻害する3大要因は過剰なストレス、運動不足、アンバランスな食事。創業以来、病気で終日休んだことは一日もないが、その考え方が概ね間違っていないということを立証していると思っている。

(240406 第1217回)

 

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