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紺碧の将

物事のとらえ方自由自在

2023.06.02

 長年ネコといっしょに暮らしていると、つくづくネコというのは他者に撹乱されずに生きていると思う。ネコに限らず、人間以外の生き物はすべからくそうなのだろうが。

 人間は大脳が異常に発達してしまったがために、さまざまな対象物に撹乱される。あるときは「できごとA」に、あるときは「人物B」に。

 そこで、そうなるに任せるのか、自分なりに工夫し撹乱されないようにするかが問われる。ある意味、その集積によって人生の良し悪しが決まると言って過言ではない。

 とはいえ、それは容易ではない。世の中には「できごと」や「人物」は無数に存在するのだから。

 答えはひとつしかない。物事のとらえ方を自在にするのだ。

 芭蕉の句に、こういうものがある。

 

  霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろき

 

 大好きな句である。句意は、富士山を見たいと思っていたが、霧がかかっていて見られなかった。でも、それはそれで趣があってよかった。

 これは、自分の心をコントロールするための極意である。「富士山が見えなくてつまらない」ではなく、「見えないときもいい」というのだから。霧の向こうは、どんな富士山なのだろうと想像する楽しみもある。

 これから梅雨に入る。毎日雨ばかりでいやだなあ、と思っている人は、試しに、芭蕉のこの句を思い出し、自分なりに対処法を考えてみるといい。

 私は雨の日もけっこう好きだ。

(220602 第1181回 写真上:雨の日の皇居お堀。特に水面に雨粒が見えるのがいい 下:雨の日の新宿御苑。緑が生き生きとし、空気が爽やか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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