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ココロバエ
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病は気から、春は恭子ちゃんから

2012.01.29

 このところの寒波はなんだ?

 寒さに滅法弱い私は、体表面積を80%くらいに縮めて放熱を抑え、ふだんより1枚余分に着込んで対応するものの、やはり劣勢は免れない。

 ちなみに、暑さには強い。さすがに昨今の猛暑はいい加減にしてほしいと思うものの、昨年などは暑い日盛りにジョギングで汗を流し、冷凍庫でキンキンに冷やしたビールを2本、一気に飲み干したら次の日から下痢が止まらず、生まれて初めて急性腸炎を患ってしまった。少し食べたり飲んだりしただけですぐに下してしまうという状態が3日くらい続き、やむなく病院へ。

 「あー、これは急性腸炎ですね。ご無理をされました? え? それは無茶ですね。ま、しばらく暴飲暴食は避けてください。特に冷たいものは控えてくださいね」と医師から優しく諭された。ただし、表向きの言葉とは裏腹に、「コイツはバッカじゃないの。そろそろ年を考えろよ」というニュアンスが言外に漂っていた。もちろん、その通りである。ややもすると、熱射病で倒れて救急車で運ばれる事態になったかもしれない。

 さて、その日の夜、神楽坂の料亭で同志たちと会食があった。そこへ行くまで気が進まなかった。できることなら、断りたい。しかし、私が間をとりもったということもあり、出席しないわけにはいかない。そこで、冒頭、控えめに「今日は急性腸炎なので、お酒は飲めません」と宣言した。

 「まあ、乾杯くらいいいじゃないですか」と言われ、ビールをつがれる。

 一口飲むと、案外旨い。そのうち、話が盛り上がり、こらからの国のあり方などをテーマに口角泡を飛ばし、時間の経つのも忘れて話し込んでいた。気がつくと、ビールや日本酒をしこたま飲み、コース料理の8割くらい平らげていた。

 あ、そうだ、自分は病気だったのだと思い出したのだが、なんと、腸炎は治ってしまったようだ。病は気からというが、ほんとうにそうだったのだ。身をもって体験したのである。

 

 ところで、この寒いのに、早くも梅がほころび始めている。

 「そうか、植物はちゃんと春の気配を感じ取っているんだ」

 その感能力には驚かされるばかりである。

 それに合わせるかのように、日本橋高島屋では毎年恒例の島田恭子展が始まっている。『Japanist』第8号でもご紹介した陶芸家である。

 島田恭子と言えば、桜。椿や梅やススキなど、その他の植物もモチーフとするが、なんといっても彼女の真骨頂は桜である。今や島田女史は “先生” と呼ばれるご身分だが、私はいつも親愛を込めて“恭子ちゃん”と呼んでいる。容貌は吉永小百合に似、売れっ子陶芸家らしくない屈託のなさは、まさに“年上の妹”である。

 先日パートナーシップを組んでいる神楽サロンと共同で、『Japanist』と読者をつなぐウェブサイト「神楽堂」を立ち上げたが、そのコンテンツにも恭子ちゃんを加えさせていただいている。ぜひ、ご覧ください。

http://www.kagurado.jp/

(120129 第314回 写真は島田恭子氏の作品。今回の個展に出展されている作品ではありません)

 

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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