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相手の格によって使い分ける美食外交

2012.01.17

 本題に入る前に……。

 国歌の起立斉唱命令に従わず、東京都教育委員会から懲戒処分を受けた公立校の教師らが、都の処分取り消しと損害賠償を求めた裁判で、最高裁は「都の処分は重すぎる」との判決を下したとの一報が、昨夜酒を飲んでいるときに入ってきて一気に悪酔いした。

 日本は素晴らしい国だが、同時に、異常な国だと言わざるをえない。子どもたちに教育をするという重責を担った教員らの行為は、反逆罪・騒乱罪に問われてもおかしくはないはずだ。こんな裁判がまかり通るのは日本だけだろう。

 橋下徹・大阪市長らが進めている分限免職法に影響を及ぼすのは必至で、今回の判決は近年まれにみるミスジャッジといっていい。今後、不起立の教員が続出するだろう。

 自分の生まれ、育った国が嫌いな教員が、その嫌いな国から給料をもらい、未来を担う子どもたちに教育をする矛盾。日教組は解体すべきだという思いはますます強くなった。

 

 さて、本題へ。

 以前、本ブログでも何度か書いたが、およそ7時間くらい並んでパリのエリゼ宮を内覧したことがある。ふだん、一般人は入れないどころか、警備が厳しくて近寄ることもままならない。しかし、偶然にも年2回の開放日に遭遇し、エリゼ宮の内部をつぶさに見ることができたのだ。

 多くの部屋を見ながら、圧倒され続けた。というのは、部屋(ダイニング)の数もさることながら、部屋の大きさや室内装飾、テーブルコーディネートなど、「相手の格に応じて使い分けるフランスの美食外交」の真髄が形をなって現前としていたからだ。その差の付け方は、露骨と言ってもいい。くわえて、料理やシャンパーニュ、ワインなどでも相手に応じて差をつける。驚いたことに、シェフからあがってきたメニュー案を最終的に了承するのは大統領だという。今のサルコジ氏がその重責を果たしているかどうかわからないが、なんともスゴイ国である。つまり、粗野な人ではフランスのトップは務まらないということ。

 反対に、日本の首相は「庶民的」であることが親しまれている。私としては、ドジョウなんかより、ピューマとかイルカとかハヤブサなどのイメージの方が好きだが、愚鈍なリーダーが好きな日本人はそうではないらしい(野田さんが愚鈍という意味ではない)。

 もっとも、結果よければすべてよし。野田さんは、たとえ捨て石になったとしても政界再編の導火線に火をつけてもらいたい。

(120117 第311回 写真はエリゼ宮の内部)

 

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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