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紺碧の将

清涼な気を胸いっぱいに

2026.04.25

 八王子と聞いて、高尾山へ行く途中の街という程度の認識であったが、いくつか見所がある。

 ひとつは昭和天皇の武蔵野陵(むさしののみささぎ)。昭和天皇が永い眠りに就かれている御陵である。今までに橿原の神武天皇陵、伏見の桓武天皇陵、あるいは明日香村に点在する歴代天皇陵などに参拝したが、はて昭和天皇の御陵は? と思い至り、八王子へ向かった。

 この季節の新緑は清々しいが、武蔵野陵に通ずるケヤキ並木はことのほか美しい。なぜかケヤキの並木は珍しいが、アスファルトの道路沿いに合わないのか、あるいは車の排気ガスに弱いのか、理由は判然としない。

 さまざまな樹木が混じる、まさに〝日本の森〟と呼ぶにふさわしい山の懐にそれはあった。奥に、お椀を被せたような石造りの墓がある。背後の樹林との対比が美しい。

 参道には10人ほどの清掃ボランティアが無言で働いていた。どこを見ても塵ひとつないのに、参道の砂利を丹念に見ながら汚れを除いている。日本の根源を見た思いであった。

 もうひとつは、八王子城跡。あまり聞かない城だが、かつて関東を支配していた北条氏康の三男、氏照が築いた山城で、秀吉の小田原攻めで落城した。

 この山城の本丸は、なかなかの高所にある。そこにたどり着くまでは、プチ登山を覚悟しなければならない。しかし、この山城から見る武蔵野は絶景である。薫風が吹き渡り、新緑が落とす影が心地いい。

 他に、八王子夢美術館や東京富士美術館など、美術の名所もある。八王子は案外、穴場である。  

 

武蔵野陵の正面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八王子城御主殿跡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本丸跡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        

(260425 第1311回)

 

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