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毎日が元旦、毎日が余命一週間

2011.01.04

 2011年が明けた。

 といって、格別なにかが変わったわけではない。昨年の大晦日も除夜の鐘を聞くことなく寝てしまったし(11時20分就寝)、初詣に行くこともなかった。

 もちろん、そういう習慣がいいことだとは思わない。が、大事なことは日常的にやっているので、あえてその日に何をしなければいけないという気になれないだけなのだ。

 例えば、初詣など行かなくても、神社があれば参詣することにしている。まして、最近は明治神宮に行くことが「日常」の中に組み込まれている。人がワンサカいる時期に、あえていっしょに行く必要を見いだせないだけである。

 

 「毎日が元旦、毎日が余命一週間」という気持ちでいたいと思っている。

 ただ、残念ながら、なかなかそのような心境になるのは容易ではない。なかなかできないからこそ、日々、そのことを強く思う機会を多くしたいのである。

 

 この正月は次号『Japanist』に掲載するための吉田松陰の原稿を書き、世阿弥の『風姿花伝』について、少しだけかじった。それだけで心が洗われるようである。

 それに比べ、正月のテレビ番組の低俗さはなんと表現すればいいのだろうか。大人も子どもも、バカ騒ぎに夢中になっている。もちろん、自発的にテレビを見ることはほとんどないが、テレビがつけてある状況に居合わせることになるとテンションが下がる。あんなものを毎日毎日、何年も何十年も見続ければ、そりゃあ否応なくバカになってしまうに決まっている。それに、ああいうのを見て楽しいと思っている心境がまったくわからない。

 

 相変わらず、正月も毎日1万歩ウォーキングしている。空や木々を見ながら、風を感じながら、音楽を聴きながら。

 そういえば、一度も私に何かを所望したことのない母親が、珍しくi Pod を買って音楽を詰めてほしいと言ってきた。もちろん、かかった費用は出すからと。

 母はクラシックが好きで、ウォーキングもしている。私が i Pod を聴いているのを見て、いつかは欲しいと思っていたみたいだ。指揮者によって、どれくらい音が変わるか、そんなことを母と話している時は本当に楽しい。

 さっそく最新の i Pod を購入し、クラシックやジャズ、ロック、ポップス、R&B、ワールドミュージック、Jポップ、演歌、落語などありとあらゆるジャンルの音楽を詰め込んだ。その数、約1600曲。私のパソコンに入っているライブラリーと同期させるため、そういうことになってしまうのだ。レイ・チャールズやスタイル・カウンシルやユッスー・ンドゥールやマイルス・デイヴィスを聴いて母はどう思うのだろうか。そう考えただけでワクワクする。案外、リズムに合わせてウォーキングしていたりして(笑)。

(110104 第220回 写真は新宿御苑の池に映る空)

 

 

 

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく陰陽相和す中庸を求める

■本は永遠の師匠

バルザック、ユゴー、デュマなど19世紀フランス文学からヘミングウェイ等の20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの御三家からワーグナーまでのドイツ音楽、フランク、ラヴェル、フォーレなど近代フランス室内楽、バルトーク以降の現代音楽まで、あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■映画は総合芸術だ

『ゴッド・ファーザー3部作』などのマフィアもの、『ニュー・シネマ・パラダイス』、黒澤明のほぼ全作品、007シリーズ、パトリス・ルコント監督作品など、こちらも雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■歴史上の尚友

尊敬する偉人の双璧は、大久保利通と徳川家康。他に幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介。理想主義者、ロマンチストより結果を出したリアリストを評価する

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■隠れ目標

死ぬまで同じライフスタイル

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■追記

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす。かなりの猫好き(愛猫・海=2019年没)、2019年9月、「じぶん創造大学」を設立し、自ら入学(生徒数1名)

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