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紺碧の将

海と1年を振り返る

2010.12.29

 今年1年間を海とともに振り返りたい。

 

 「海はどんな1年だった?」

 「私自身は何も不自由ありませんが、世の中のことを考えると滅入ってきます」

 「これ以上ないっていうくらい、極楽生活に見えるけど」

 「それは大きな勘違いというものです。寝て食べて甘えているだけじゃないのですよ。今までにも何度かこのブログでコメントさせていただいたけど、この国の行く末を案じているんです。私は今10歳だから、生きてもあと15年でしょう? でも、あなたたち人間は大変ですよね」

 「25歳まで生きる気?」

 「まあ、失礼ね。私の先輩のマリリンは21歳7ヶ月生きたでしょう? あんなに性悪オバサンだったのに。それなら私は25年は生きるつもりです」

 「それはそうと、やっぱりこの国の政治が悪いということか?」

 「もちろんです。だって、なんにも理念がないでしょう?」

 「まあ、そうだろうな。でも不思議だね。危機の時には信じられないくらい力を発揮する民族なのに」

 「そうですよ。皮肉なものですね。みんなで頑張って社会が良くなったら反転運動が始まって、一気に悪くなるなんて」

 「まあ、そういうもんだよ。長いスパンで見ると、成長→安定→転換というサイクルの繰り返しだから。今はまさに激しい転換期だろう」

 「みんな耐えられるのかしら」

 「みんなというのは無理だろうね」

 「それも自然淘汰なのかしらね」

 「すべてがうまくいくというのは自然の法則に反するよ。いいことがあれば悪いこともある。今までいいことがあり過ぎたと思えばいいんじゃない?」

 「あなたはどんな1年だったのですか?」

 「そりゃ、充実の1年だったよ。ここ数年、毎年そう思っているけどね。創業以来初めて赤字になったけど、大きく前進できた気がする。来年が楽しみだよ」

 「会社が赤字なのにかなりの楽天家ですね。ところで最近、家に帰って来ない日が多いけど、どうかしたのですか」

 「仕事のこととかなんとかかんとかいろいろあって、都内に拠点を構えたからね。何か問題でも?」

 「だって、私の最大の楽しみはあなたに下腹を揉んでもらうことなのですよ。それがすっかり減ってしまって、途方に暮れているのです」

 「そういう言い方は嫌いだな。自分の下腹くらい自分で揉めよ」

 「そういう言い方ってひどいですよ。この肉球じゃうまく揉めないし、そもそもあなたにさんざん揉まれたから、こんなに垂れ下がってしまったし。もうお嫁にいけないわ」

 「だっておまえ、人間なら50代半ばくらいだろ? まあ、おまえには長生きしてもらいたいから、なるべく好きなようにしてあげるよ」

 「じゃあ、今度は半日コースですよ」

 「おまえ、たいがいにしないと捨ててしまうぞ(笑)」

 「ひぇ〜〜〜」

 と延々続くのだが、あまりにもバカらしい話なので、これにて打ち切り。

 

 皆様、今年もご愛読ありがとうございました。

 来年もよろしくお願いいたします。

(101229 第219回 写真は『Japanist』を読んだ後の海)

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