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紺碧の将

MY 神サマ

2023.10.16

 前回に続き、神社の話。

 『キャスト・アウェイ』という映画がある。乗っている飛行機が墜落し、南洋の孤島にひとり漂着し、そこでサバイバルするという内容だ。

 そのなかに印象的なシーンがある。誰も話し相手がいない主人公は、Wilsonのバレーボールに人の顔を描き、話しかける。やがてそのバレーボールは彼にとって神サマになっていく。

 人はなにか心の拠り所を求める。それが神社や寺であったり、好きな人からの言葉だったり、キャラクターのフィギュアだったり……。

 私はどちらかといえば、神仏にすがることはあまりない。宗教行事や祭事にもあまり縁がない。

 そんな人間だが、ひとつだけ心の拠り所にしているものがある。

 宇都宮の多氣不動尊である。

 何度か訪れているうちに自分との親和性を感じた。そもそも名前に「多」が入っているし、「氣」も旧字というのがいい。

 1987年4月、創業するとき、ここで開運のお守りを求め、以来、財布の小銭入れに入れている。いま持っているのは2代目だ。おすそ分けというものでもないが、大事な人にあげたりもした。

 これが霊験あらたかだったかどうかはわからないが、それ以来、事業はつつがなく続いている。

 そういえば……、と思い出し、先日、久しぶりに参拝してきた。感慨もひとしおだった。

 ほかの寺社へ行ってもあのような気持ちにはならない。多氣不動尊と甲府の武田神社は私にとって特別な空間なのだ、とあらためて思った。

 

もともとここには多氣山城があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

財布のなかに入れているお守り。37年間ずっと入っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2201016 第1195回)

 

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