Misfortunes never come singly.
不幸は決して単独ではやってこない、不幸は重なるという外国のことわざだ。日本にも「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」ということわざがある。
「fortune」は富や財産の意味があり、どちらかというと幸運を表す。ローマ神話に登場する幸運の女神「フォルトゥナ」に由来する。つまり、「fortune」は、棚からぼたもち的な「lucky」とは違い、何かの働きかけがあって運ばれてきたものとも考えられる。だとすると、「Misfortunes never come singly.」は「気をつけなさい」という女神からのメッセージにも受け取れる。良いことよりも悪いことは続くようになっているのか、ひどい状況に追い討ちをかけるような、さらなる不幸がやってくることが往々にある。
このことわざには、戒めが含まれている。「Misfortunes never come singly.」という状況に陥るまで、なぜ手を打たなかったのかということ。
日々の生活習慣が、やがて重篤な病を誘発するのと同様、不幸にも必ず遠因がある。禅には、あるひとつの行いがすでにひとつの結果を生んでいるという意味の「因果一如」という考え方があるが、「なんか最近どうもうまくいかないなあ」と思ったら、その原因はなんだろうと、心の眼を凝らして見えない糸が絡まった原因を探りだし、もういちど編み直す必要があるのではないか。そうすれば、幸運の女神は微笑んでくれるにちがいない。Fortes fortuna adjuva(わたし<女神>は勇敢な者を助けます)と言って。
(第151回 260823)
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