海の向こうのイケてる言葉
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ココロバエ
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When there was no TV, people created fun for themselves.

映画『探偵スルース』のセリフ

 1972年に公開されたジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督作品『探偵スルース』のなかのセリフ。「テレビがなかった時代は、みんな、自分たちで楽しみをつくりだしたもんだよ」という意味。

 いったい、この言葉のどこが面白いのか? と訝る向きもあろう。

 今から50年近く前もこのような危惧を抱いていた人がいたというのがミソである。テレビが登場したことによって、完全受動型の娯楽が定着し、人間が自ら楽しみを創造する能力を失っていくことへの問題提起とも取れる言葉である。

 その頃から50年近く経て、人間の能力はどう変わっただろうか。進歩しているだろうか。たしかに科学は日進月歩の進歩を遂げているが、個々の人間はどうだろう?

 著しく落ちているというのが筆者の見方だ。本来、幼少時代は自分で遊びを創造し、楽しむ術を身につけるべき時期だが、危険だという理由で公園から遊具がどんどん姿を消している。替わって、ゲーム機などを与えられる。外から与えられなければ、楽しむことができない人が増えているということが、現在の世相を作り出していると見るのは穿ち過ぎだろうか。

 便利になるのを今さら止めることはできないし、止める必要もない。しかし、ちょっとしたアイデアによって日常の些細なことを楽しむことができるようになりたいものだ。

(第7回 200613)

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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