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紺碧の将

免疫力を高めるためにするべきこと

2020.05.14

 新型コロナウイルス禍によって、免疫力を高めることに関心が高まっている。効果があるとされているのは、

①じゅうぶんな睡眠をとる

②規則正しい生活をする

③適度な運動をする。風呂にゆっくり浸かる

④バランスのとれた食事を摂る

⑤ストレスを溜め込まない

などであろうか。

 それはそれで間違っていないと思う。私がふだん、心がけていることでもあり、なにを今さらという気がしないでもないが、上の5項目を続ければ、免疫力は高まるはずだ。

 しかし、私はそれ以上に重要なものがあると思っている。

 それを書く前に、こんな話を。

 右上の写真は、明治神宮の参道脇に生えているシダである。シダといえば、古代から生き延びている植物。気の遠くなるような長い時間をかけ、生き延びるために理想的な種になった。

 明治神宮の森はかなり鬱蒼としていて、太陽の光が地面に届く量はごくわずか。そういった環境でもシダは効率よく光合成をしている。そのための究極の形というか、この通り、葉っぱの一枚一枚は小さいが、効率よく光を受け取れる形をしている。この整然とした並びにも深い意味がありそうだ。

 美しすぎる。これを見たら、あらゆるデザイナーが度肝を抜かれなければならない。こういうのを見て何も感じないデザイナーは、大した仕事をしていないと言っていいと思う。それくらい、ムダがなく、美しい。

 なぜ、こんなことを書くかといえば、創造主(その正体はわからないが、存在するはず)が創ったこの世の秩序には一片のムダもなく、それぞれに理由があるということ。当然、無数のウイルスも例外ではない。

 歌人で細胞生物学者でもある永田和宏氏によれば、人間の遺伝子にもウイルス由来のものがあるという。例えば、胎盤が機能するのに必須のシンシチンというタンパク質。つまり、ウイルスの情報を自分の遺伝子の一部としてため込んでいるということ。人間はウイルスの助けを借りて命をつないできたのだ。

 では、なにゆえ今回のようなパンデミックが起きたのか。それについて長崎大熱帯医学研究所教授の山本太郎氏はこう語っている。 

「ここ50年から100年ぐらいの間に新しいウイルスがどんどん見つかっている。人間がものすごい勢いで地球のあらゆる場所へ進出し、熱帯雨林などを破壊しているためでしょう。野生動物とウイルスが調和的に過ごしていたところに人間が侵入し、調和を壊す。すると今度はそのウイルスが人間の社会に入り込もうとする」

 要するに、もともとバランスがとれていた不可侵の領域に人間の都合で分け入ったため、強烈なしっぺ返しを食っているということ。また、今回の新型ウイルスは人工的な生物兵器であるという情報もあるが、仮にそうだとすると、人類はついにパンドラの箱を開けてしまったと言わざるをえない。いずれにしても、武漢のウイルス研究所を徹底的に調査する必要があるが、中国政府が立ち入りを拒否しているため、実態がわからない。困った国である。

 

 さて、話を元に戻す(ようやく?)。

 ことほどさように、自然界はバランスがとれている。しかし、当面しかたがないとはいえ、いまわれわれは新型コロナウイルスに感染しないよう、手洗い・消毒をこまめに行っている。しかし、それが人間の免疫力を下げることになっているのではないかと危惧している。ちょうど、日本に抗菌グッズが普及した頃から日本人の免疫力が落ちたように。

 身の回りにも自分の体内にも無数のウイルス(ばい菌)が存在する。それらをまとめて〝敵〟扱いし、排除することが果たして正しいのだろうか。ウイルス禍が収束したあかつきには、もう一度じっくり考える必要があるのではないか。

 前述のように、人間はじめあらゆる生き物は周りと調和しながら全体の秩序を保ってきた。

 私は適度にばい菌とつきあい、免疫力を保持するため、家のなかでは過度に清潔にならないよう気をつけている。せいぜいトレイに行ったあと、手を洗う程度だ。

 もちろん、学術的な裏づけはない。私の日常の行動は、勘や体の〝声〟に頼っている。バイキンマンとは適度な距離感をもってつきあうことが正しいとそれらが教えてくれている。

 

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(200514 第992回)

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