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紺碧の将

ギリギリの崖っぷちにいる、この星の生き物たち

2026.09.27

 新木場に「夢の島」というエリアがある。ある程度の年配であれば、「ああ、ゴミの島か」と思うだろう。その昔、日本が高度経済成長を遂げていた頃、増大するばかりのゴミを処理しきれず、海岸の埋立地に捨てていた。腐臭がひどく、環境が汚染された場所を「夢の島」と名付けた。まさにブラックジョーク!

 余談だが、かつて「夢の国」と言われた大国がある。そう言われ、憧れたのも今は昔。今ではとんでもない人を大統領に選び、先人たちが苦心して築き上げた国際条約などを「くだらない、バカげている」のひとことで壊しまくっている。それと比べれば、ゴミの山を「夢の島」と名付けたのは、まあ可愛いと見るべきか。その「夢の島」も今ではきれいな緑地公園になっている。

 その一角に「第五福竜丸展示館」がある。いま、第五福竜丸と聞いて、ピンとくる人は少ないと思うが、1954年(昭和29年)、太平洋のビキニ環礁付近でアメリカが行った水爆実験によって放射能を浴びた漁船である。そのときの船が保存・展示されている。

 乗組員23人の全員が被爆し、無線長だった久保山愛吉さんは同年、亡くなった。生存者もその後、ガンを発症するなど深刻な状態に陥った。同展示館では、その事件の詳細を展示している。

 戦後、疑心暗鬼の連鎖によって次々と核兵器が開発され、現在、核兵器を保有している国は9カ国。核弾頭の数は、13,410個に及ぶ。そのうち、4,000発以上が今すぐ発射できる状態にあるという。

 では、それらの核弾頭はどこにあるのか。海底の奥深く、原子力潜水艦にある。海底深くまで、レーダーは探知できない。つまり、人類を何回でも絶滅させることのできる兵器を搭載した潜水艦が多数、海深くウヨウヨしているのである。

 そういった事情を知れば、核廃絶が不可能だということは瞭然。互いに疑心暗鬼の状態で、自らの〝奥の手〟を払拭できるはずもない。最後の砦は、「こちらが発射したら相手も発射する」という抑止力のみ。

 とはいえ、気の狂ったリーダーや人間が制御できなくなったAIが独断で最後の一線を越えないとは限らない。

 人類を含め、この星に棲むあらゆる生物は、滅亡すれすれの崖っぷちに生きている。そのことは認識しておくべきだ。

(260927 第1337回)

 

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