千畳敷カールと霧ヶ峰
木曽駒ケ岳に登る……、はずだった。ところが先月の終わり頃、重い荷物を持って東京駅の階段を降りたとき、左膝がギクッとした。10年ほど前、200メートルのタイム計測をして痛めた鵞足だった。
と、そんな事情があり、木曽駒ケ岳への登頂は叶わなかった。
木曽駒ケ岳は3000メートル近いが、お手軽登山の代表選手みたいなものである。なにしろロープウェイで一気に2600メートル以上に上れる。終点は千畳敷カールといい、眼の前に広がるカールがことのほか美しい。正面には切り立った宝剣岳。色とりどりの高山植物が咲き乱れ、登山をしない人のためのトレッキングコースもある。
結局、その日は濃い霧に覆われ、眺望には恵まれなかった。おそらく予定通り登っても濃霧に苦しめられたにちがいない。
下山した後、レンタカーで霧ヶ峰に行った。
霧ヶ峰と聞けば、エアコンを連想する人もいるだろう。おそらくあのエアコンを開発した人は実際に霧ヶ峰を歩き、快適と言う以外にない爽やかな風を体感したのだと思う。それくらい心地よい風が吹き渡っていた。周囲360度すべての眺望が開け、遮蔽物はひとつもない。なだらかな山並みとそれに連なる青空。下界の暑さが信じられないほど。心身が喜んでいたのがわかる。
千畳敷カールのトレッキングコース

ほんの一瞬、霧がはれたが……

霧ヶ峰の八島ヶ原湿原

こんな木道が続いている

(260824 第1332回)
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