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紺碧の将

食べ物は神人共作、最後の砦

2026.03.21

 若い頃は海外に興味があったが、いつからか国内の隅々を回ってみたいと思うようになった。14年前にアフリカ南部の3カ国を旅して以来、外国へ行ってない。

 日本の地方はそれぞれに彩りがあり、どこへ行っても興味深いが、困るのは朝食である。県庁所在地ほどの街でも、いざ店を選ぼうとして選択肢がないことがある。多くの店は11時開店なのだ。やむなく苦肉の策をとることになるのだが、このところ2回ほど大変な目に遭った。

 1度目は駅の周囲にスターバックスしかなく、やむなくそこで食べたのだが、選んだホットサンドが口に入れた瞬間、化学添加物の強烈な味がした。食べ残すことが嫌いなため、無理に食べたのがよくなかった。おかげでその日はずっと胃のなかがムカムカした。

 極めつけは今月のある日。やむをえず何十年ぶりかでマクドナルドで食べたこと。

 驚いた。レジの後ろに広がる厨房に火の気はないのだ。厨房は清潔だが、工場のような雰囲気だった。出てきた食べ物に、これまた驚いた。食べ物というより工業製品という感じなのだ。少し食べて、すぐに気持ち悪くなってやめた。周りを見渡せば、片手にハンバーガー、片手にスマホという体でうつむきながら口に運んでいる人ばかり。思わず背筋がヒヤッとした。

 人間がつくった美をアート、神がつくった美をネイチャーとするならば、料理はまさしく神人共作。人が自然の一部として命をつなぐうえでの最後の砦ではないかと思っている。それが急速に人工物化している。

 人間、壊れるのはあっという間だ。ますます物騒な事件が増えているが、その遠因を食べ物と考えるのは的外れなのだろうか。

 化学添加物がすべてダメということではない。コンビニのおむすびくらいなら体に影響はないが、年々、添加物に弱い体になってい。それは本来、喜ぶべきなのだろうが、外食がストレスになる場合もある。そうであっても、なるべく自然なものを口にしたいと思うこの頃だ。

(260321 第1309回)

 

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