海の向こうのイケてる言葉
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紺碧の将

Words are loaded pistols.

ジャン=ポール・サルトル

「言葉とは、弾丸が装填されたピストルである」

 言葉を生業にしていたサルトルの言葉だけあって、ズバリ本質を突いている。

 即座に「ペンは剣よりも強し( The pen is mightier than the sword)という言葉を連想した。 17世紀に生きたフランスの宰相リシュリューが発したとされる。こちらは、「文字による情報は、暴力よりも影響力がある」ということ。

 SNSでの炎上、週刊誌ほかゴシップ誌による誹謗中傷など、言葉の暴力がはびこっている。

 禅語にもある。「刀槍易没 悪語難消」(刀の傷はすぐに消えるが、言葉による心の傷はなかなか消えない)。

 筆者は国民全体の国語力の低下に原因を発していると思っている。言葉の素晴らしさを知らないから、反対に言葉の破壊力も知らない。

「人間はその語彙を大きく超えて考えたり感じたりすることはできない。母国語の語彙は思考であり情緒なのである」と数学者の藤原正彦氏は唱えているが、同感である。

 言葉の持つ二面性を心に刻む上でも、国語教育の向上が望まれる。と言いながら、むしろ悪化していくというのが筆者の見立てだが……。

(第25回 201024)

 

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