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ガンディーの教訓

2011.04.14

 東京都知事選が終わり、4選が決まった後の記者会見で、石原慎太郎氏はさかんに日本の復興にはわれわれの精神を改めなければダメだと言っていた。

 曰く、「自分の親が亡くなったのに葬式もあげず、亡くなったことさえ秘匿して親の年金をもらい続けるような人間は世界中に日本人しかいない、まずそのような我欲を洗い流さなければいけない」と。

 最近、震災の直面する日本人のいい面ばかりがクローズアップされることが多いので、つい忘れがちになっているが、あの震災が起こった後、いきなりすべての日本人の精神が立ち直ったはずがない。そのことは冷静に見ていく必要があるということを気づかされた。

 今回、あらためて石原氏のコメントを聞き、以前の天罰発言はマスコミの恣意的な操作によるものだということがはっきりわかった。マスコミというものは、自分たちに都合のいいように解釈し、一方的に報道する傾向がある。マスコミで報じられる「○○氏の発言」などというものは話半分くらいの気持ちで聞いた方がいい。

 と、マスコミの話ではなかった。日本人の精神について、であった。

 

 くしくもマハトマ・ガンディーは「七つの社会的な罪」として次の7つをあげている。

●原則なき政治

●労働なき富

●良心なき娯楽

●人格なき知識

●道徳心なき商い

●人間性なき科学

●献身なき祈り

 

 彼はインド人だが、インド人だけではなく、人類に普遍の教訓をいくつも示している。

 また、第二次世界大戦中、「すべての日本人に」と題し、次のような言葉を残していることはあまり知られていない。

 「私は、あなたがた日本人に悪意を持っているわけではありません。あなたがた日本人はアジア人のアジアという崇高な希望を持っていました。しかし、今では、それも帝国主義の野望にすぎません。そして、その野望を実現できずにアジアを解体する張本人となってしまうかも知れません。世界の列強と肩を並べたいというのが、あなたがた日本人の野望でした。しかし、中国を侵略したり、ドイツやイタリアと同盟を結ぶことによって実現するものではないはずです。あなたがたは、いかなる訴えにも耳を傾けようとはなさらない。ただ、剣にのみ耳を貸す民族と聞いています。それが大きな誤解でありますように。

あなたがたの友 ガンディーより」

 

 日本人の精神を復興させるために有用なヒントは、至るところにある。

(110414 第243回 写真はガンディーが使っていた糸車。ムンバイのガンディーの家にて)

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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