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紺碧の将

作為があるのに無為自然

2020.08.17

 前回に続き、日光田母沢御用邸について。

 庭がいい。 

 私は庭を専門的に勉強したことはないが、直感的に良し悪しはわかっているつもりである。もちろん、個人的な好き嫌いもある。例えば、世界的に有名な足立美術館の庭は、よく考えられた造形美だとは思うが、さほど好きではない(もちろん、嫌いであるはずはないが)。「これは世界的に有名な庭なんです」と言われても心が動かないのだから、理屈ではどうしようもない。

 キャビアやフォアグラやトリュフを供されて、「これは世界の3大珍味だから」と言われても、さほど美味と思えなかったらそれまで。それと同じこと。

 日光田母沢御用邸記念公園の庭は、みごとにさりげない。作為によって整えられているのに、作為が感じられない。無為自然なのだ。これはとんでもない妙技である。

 ポール・スミザーさんが作る庭にも通じている。この国に自然に生えている植物をうまく活かし、全体をひとつの世界に仕上げているのだ。まさに神と人の合作。ただただ虚心にし、その妙味を味わうのみだ。

 

灯籠は背景に溶け込んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこの森にも生えている笹の、なんと美しいこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このキャスティングとレイアウト。見れば見るほどセンスの良さがわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その内のシダのアップ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一見、雑草が生えているようにも見えるが、昭和天皇がおっしゃったように、「この世に雑草という草はない」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アップで見てもらうと一目瞭然。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この枝垂桜が満開のとき、訪れたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(200817  第1015回)

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