多樂スパイス

大空を見よう

2010.12.02

 最近、空を見ることが多い。

 どうしても普段の生活に追われてしまうと視界が狭くなりがちだが、最近は自然を感じられる場所を歩くことが多いので、いきおい視界も広くなっている。高い木の梢を見れば、おのずと空に目が転ずることになり、視界はいやがおうにも広がることになる。

 すると、心に重心ができる。背骨が通るといってもいい。要するに、浮ついた感覚が薄くなっていくのだ。

 それもそのはず。人間の身長など、たかだか2メートル足らず。俯いていたら、せいぜい数十センチの世界しか目に入らない。しかし、上を見れば数千メートルは視界に入る。

 さて、読者の皆さん、いつもの自分の視界がどの程度の距離か、あらためてじっくり確かめてみてはいかがだろうか。ついつい身の回りの物だけに焦点が合ってはいないだろうか。視界が狭いと心の余裕もなくなりますよ。

 

 ところで、私は自慢じゃないが、いつも視界良好である。子どもの頃からずっと視力が良く、視界の中でぼけているところがない。時々「女性の敵」と言われる所以はそこにある。つまり、“いいところはそれなりに、悪いところもそれなりに”見えてしまうのだ。

“やだぁ〜”という声が聞こえてきそうである。でも、仕方ないではないか。見えるものは見えてしまうのだから。

 おまけに、ずっと視力が良かったにもかかわらず未だ老眼にもなっていない。以前よりは細かい字が読みにくくなっている感があるが、文庫本の細かい文字も裸眼で全然平気である。

 また、視力に限らず、五感の感度が著しくいいのである。聴覚も嗅覚も。

 さらに、体も丈夫だ。風邪はたいがい水際で防いでいるので、滅多にかからない。こういう風に生んでくれて、ひたすら両親に感謝である。

 ちなみに風邪はひき始めが肝心だ。私の場合、葛根湯を2つくらい飲み、しっかり厚着をしていつもより早めに寝る。いつも長い睡眠をとるが、風邪のひき始めはいつもより多く眠る。それでだいたい治ってしまう。創業以来24年弱、一度も病欠がないというのは我ながら驚異的である。だからなのか、やたらと病気で休んでいるいる人を見ると、「あっ、現実逃避しているな」と思えてしまう。もともと虚弱体質の方はべつとして、病気は気持ちがいちばん大切。「病は気から」というのは本当である。

(101202 第212回 写真は夕方の青空とドコモビル。新宿御苑にて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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