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ココロバエ
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インド人は日本人が大好き

2010.11.25

 数年前、インドに行った時のエピソードを紹介したい。

 デカン・オデッセイという、寝台列車でインド東海岸沿いを一週間かけて走り、ところどころで世界遺産などを観光するというツアーに参加した。

 出発点はムンバイ(旧ボンベイ)、最初の宿は1、2年前にテロがあったタージマハル・ホテル。そのツアーは30人足らずであったが、大半がヨーロッパ人であった。ガイドの話によれば、日本人が参加するのは数年ぶりのこと。一車輌につき2部屋しかなく、それぞれに専属のバトラーがついている。朝きっかり6時、コーヒーを携えて起こしにきてくれる。今思えば、贅沢きわまりない旅であった。

 列車はだいたい夜移動し、到着したところからバスで観光地へ向かう。エローラやアジャンタ、エレファンタ島など、効率よく世界遺産を回れるし、ボディガードが数人ついているので、ちょっと危ない地域にも安心して行くことができた。

 

 ある日、ナントカという島へ行った時だった。たまたまインドの小学校の遠足とかちあった。大勢のインド少年・少女が群れをなして歩いている。無邪気そうな表情は、昔の日本の子のようだ。

 やがて、視線を感じるようになった。なにやら私を見つめるデッカイ目がたくさんあるのだ。小麦色や褐色の肌に、もともと大きな目は異様に大きく見える。

 そのうち、おそるおそる近づいてきて、名前はなんというのですかとか、握手してくださいとか、いっしょに写真を撮ってもらってもいいですかと言ってきた。

 Sure!

 そう答えるやいなや、多くの子どもが私に殺到した。

 手を差し出して握手を求める子、私の名前を連呼する子、そして“撮影会”の連続。

 たぶん、この子たちは誰かスターと勘違いしているのではないかと思ったが、よもや私がスターに似ているはずもない。周りにイギリス人やドイツ人やアメリカ人などがわんさかといたが、彼らには一向に目もくれず、ひたすら私に殺到してきたのだ。

 ある白人は私を見て、言った。

 You must be movie star!

 

 あとでガイドに尋ねると、意外な答えが返ってきた。

 曰く、インドでは小学校の教科書で日本の素晴らしさを教えている。日本は強国・アメリカに戦いを挑んで敗れたが、懸命に頑張って復興し、今や世界有数の経済大国。弾丸列車(新幹線)や高性能の自動車などを作っている尊敬すべき国なのだと。だから、ほとんどのインド人は日本人に敬意を抱いている。しかし、かつての宗主国であったイギリスは嫌い、アメリカも嫌い、中国はもっと嫌い、韓国も嫌いだそうだ。

 そうかあ、そんな目で日本人は見られていたのかあ、と感心してしまった。

 日本では、「アジアから嫌われている日本」という図式で教えられることが多い。シナや韓国の反日運動は詳細に報道されるが、こういった親日国家のことはほとんど報道されない。そういえば、ブラジルに行った時も、日本人というだけで歓待を受けたものだ。

 もっともっと、こういう真実を国民に知ってもらわなければいけないと思う。今は政治もメディアも教育界も自虐趣味の左翼勢力一辺倒になってしまっている。一刻も早く、そういう風潮を正常な状態に戻さなければ、われわれ日本人、特に子どもたちの自尊心は廃れる一方だろう。

 

 ところで、ひとつ疑念が残った。というのは、私の近くにはあの高久和男さんがいたのである。彼も立派な日本人。しかし、インドの子どもたちはカズオさんにはまったく興味を示さなかった。彼はどう見ても典型的な日本人体型だし、日本人の顔をしている。足の長さだって、まさしくニッポン男児だ。夏の虫を引き寄せる街灯のごとく、キャバクラ属ミニスカ科のオネエチャンには人気があるが、どうやらインドの子どもたちのおメガネにはかなわなかったようである。

 その理由が知りたいのだが、今となっては知るよしもない。それがとても心残りなのである。

(101125 第210回 写真はインドの子どもたちと記念撮影?に応じる筆者)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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