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紺碧の将

赤坂迎賓館のケチ

2010.10.27

 赤坂迎賓館を一般公開するというので、行ってきた。

 なんじゃこれは! というのが第一印象。新聞をよく読めばよかったのだが、「前庭のみ公開」だったのだ。広い石畳と石造りの大きな建物しか見られない。これじゃ、どんな雰囲気の中で国賓をもてなしているのかさっぱりわからないではないか。

 以前、このブログでも書いたが、フランス滞在のおり、偶然、翌日が「国民の日」とかなんとかで、ふだん一般に公開していない施設を数日間公開すると知り、急遽予定を変更してエリゼ宮に出向いたのだが、朝10時ですでに長蛇の列。それでもバルザックを片手に待つこと7時間、ようやくエリゼ宮の建物内に入った時の感動は忘れられない。

 そうかぁ、ここでフランス政府はフランス料理やシャンパーニュやワインで美食外交を繰り広げているのだな、とじつに感慨深かった。

 それに比べて、なんなのこの赤坂迎賓館の「一般公開」は?

 

 日本の外交べたは今に始まったことではないが、かえすがえすももったいない。なぜなら、日本は外国からの賓客を圧倒するくらいの「ハッタリ」はいくらでもかませるくらいの文化的な厚みがある。日本は歴史があるし、あらゆる分野において上品だ。これをうまく組み合わせて、「脅し」という名の「もてなし」をすれば、浅い文化しか知らない外国の賓客は卒倒すること請け合いである。気がついた時は、日本をリスペクトしているだろう。そういうものだと思う、外交とは。

 どうして、そういうことができないのだろう。答えは簡単だ。そういう方面に明るい「プロ」を用いないからだ。だって、今の民主党にしても自民党にしても、そういうことができそうな「文化的な政治家」はいるだろうか。

 もちろん、いない。それなのに、プロを用いようとしない。

 かえすがえすも残念だ。

 日本の外交史で、唯一輝いていたのは明治時代だけだ。そのことをもう一度学ぶ必要があるのではないだろうか。

(101027 第202回 写真は赤坂迎賓館)

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