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紺碧の将

夢のある話に飢えていた

2010.10.24

 民主党政権になってから、夢のある話が皆無になった。では、自民党政権の時にたくさんあったのかと問われれば、「ノー」と答えるしかないのであるが、不幸なことに国民が夢をもてるような話は限りなくゼロに近くなってしまった。

 そもそも一国のトップが、その国に愛着を抱いていないという。自分が生まれた国の国旗や国歌に愛着を覚えていないと公言する人が総理大臣になっているのだから、国民の不幸はとどまるところを知らない。

 

 という状況にあって、的川泰宣氏の話である。刊行したばかりの『Japanist』第7号の巻頭の対談は、幸いなことに宇宙工学士の的川氏であった。

 なぜ、幸いなことか? 夢のある話ばかりだからだ。100%夢のある話だった。

 聞いていて心地いい。エネルギーをもらえる。日本は大丈夫! と思えてくる。今の政治家にもっとも欠けていることを宇宙工学士の的川氏が話してくれた。

 じつは、私はとんでもないくらいの理科音痴である。要するに機械オンチであり、数字の世界はほとんど理解できないと言って大げさではない。理解できるのはマクロ経済の概略と会社経営における経理だけだ。特に後者は好きではないが、必要上やむにやまれず理解するに至った。

 そういう人間にとって、的川氏の話は夢物語であった。一から十までこの世のものとは思えない話であった。

 いいなあ……。

 夢を語る人は目がキラキラと輝いている。そういう目に出会うと、こちらまで幸せになってくる。

 小惑星探査機「はやぶさ」は、世界初の偉業を7つも成し遂げたという。時速10万キロ以上の猛スピードで太陽の周りを公転する、長径わずか500メートルの小惑星に着陸し、サンプルを採取し、約7年かけて地球にそのサンプルを送り届けてくれた。自身は燃え尽きたが、サンプルの入ったカプセルは無事地球に届けられたのだ。宇宙先進国のアメリカでさえ、小惑星は写真撮影がせいいっぱいだった。それなのに、着陸までさせるとは!

 しかも、イオンエンジンというとんでもない動力を開発し、宇宙空間を7年も航行していたのだ。今後、惑星間の航行は日本のイオンエンジンが使われることになるという。開発したのは日本の若者だ。

「やるじゃないかニッポン!」。そう思わせてくれる。

 的川泰宣氏と中田宏氏の対談は、小社刊の『Japanist』第7号にて。

(101024 第201回 写真は、宇宙航空研究開発機構にある「はやぶさ」の実物大模型)

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