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作為の落とし穴

2019.03.23

 朝、とあるホテルで目覚めた。薄ぼんやりした視界の端に簡易冷蔵庫が見える。冷蔵庫の扉にシールが貼ってあり、目を凝らすと、左側にペットボトルの絵が、中央上に「冷蔵庫内のミネラルウォーターは」という字がある。私はいまもって視力良好で、間近にある物以外、すべてはっきり見える。視界のなかでボヤケている部分がほとんどないのだ。

 さて、続きの文字が気になったが、目を凝らしても読めない。だいたい内容は察しがついたが、仕事柄というか、哀しい性というか、確かめられずにいられず、照明をつけ近づいて読んだ。

 なんのことはない。「ご自由にお召し上がりくださいませ。」とあり、その背景に濃い目のブルーで筆の刷毛を引いたようなデザインが施されている。

 はは~ん、と思った。よけいなことをしたことによって、かえって読みづらくしているのだ。はたして、そういうものを「グッド・デザイン」というのだろうか。

 パソコンでデザインをすることが普及し始めた頃、やたら文字を立体的にしたり、意味もない装飾を施すことがまかりとおった。初心者ほどそういうことをやりたがる。やればやるほどダサくなるということがわからず。今でもときどきそういうものを見かける。安っぽいし、バカっぽい。

 やはりデザインも本質的であるべきだ。伝えたい内容をどう的確に、印象良く、発信者らしい独自性をもって表現できるか、それこそがデザイナーの腕の見せどころである。しかし、チャチャッとよけいなことを重ね、「手間をかけたのだから、これでいいんだ」と割り切ってしまう仕事があまりに多い。

 このことは、デザインの話に限らない。安直によけいなことをすればするほど、本質から遠ざかる。

 

 ※うーにゃん先生、自己啓発セミナーに物申す。

うーにゃん先生流マインドフルネス「日々の生活が人をつくる」

40話 うーにゃん先生「日々の生活が人をつくる」

 

「美し人」公式サイトの「美しい日本のことば」をご覧ください。その名のとおり、日本人が忘れてはいけない、文化遺産ともいうべき美しい言葉の数々が紹介されています。

https://www.umashi-bito.or.jp/column/

(190323 第887回)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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