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紺碧の将

志を掲げた「美し人」

2018.10.06

 日本美術工藝協会という組織が始動した。一般社団法人である。理事長は鳥毛逸平氏。その名の通り、日本の美術と工藝を世の中に広めたいとの志をもって立ち上げた。

 あるご縁で鳥毛氏と知り合い、意気投合した。なにしろ彼は大の音楽ファンで、その他のさまざまな芸術を愛する同好の士である。ブルックナーを語ると思えば、スコーピオンズに飛ぶというくらい、私と同じ雑食派。偏りのない風通しの良さは、接していてなんとも心地良い。

 というわけで、立ち上げの同サイトには『Japanist』で紹介した数人の美術家の記事を提供した。

 活動を表すキーワードは「美し人」。うましびとと読む。

 鳥毛さんは同サイトで「美しいものが力をもつ時代へ」と題するメッセージを述べている。

 

 モノを大量に消費することを是とする社会から、心を充足させることに価値をおく社会へ――。私たち日本人は、価値観の転換を求められているのではないでしょうか。(略)

 今のように「なんでもある時代」とは比べるべくもないほど「なにもなかった」縄文時代、私たちの祖先は装飾的な土器をはじめ、美しいものを創り続け、大切に使ってきました。美しいものに接することは、腹を満たすことと同じくらい大切なことだということを、当時の人たちが信じていたからにほかなりません。生きていくうえで必ずしも不可欠ではない美術品や工藝品が、世界中いたるところで重宝されてきたという人類史を概観しても、そのことが証明されています。

 人が精魂込めて創った美しいものが、人を幸せにする。これは万古不易の真理です。

 私は、それらの作品を生み出す力を「伎」と呼んでいます。独自の感性や技術はもちろん、創り手の人間性をも包含したもの、それが伎です。

 作品の創り手、作品を求めて愛でる受け手、そして両者をつなぐ人すべてが「美し人」です。

 

 つまり、美術工藝品を創る人、それを求める人、両者をつなぐ人を「美しい人」=「美し人」と定義しているのである。

 今後、さまざまな美術家、工藝家を紹介していく。出入の帳尻をどう合わせるかという重要な問題はあとまわし。そういうところもジャパニスト的である。

美し人 公式サイト

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。 第29話は「いいことは時間をかけないと広がらない」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(181006 第847回)

 

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