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紺碧の将

歴史とモダンを融合させる

2018.08.05

 上野の国際子ども図書館で「楽しい古典籍 おいしい江戸料理本の世界」という講演会が催された。もともと中高生向けの企画だが、一般の大人も参加できた。

 古典籍とは明治以前の書物をいう。そういった古い書物を紐解く専門家がいて、今回はそれらに書かれている江戸の料理を詳細に解説するという主旨だった。

 前日遅くまで飲んでいたうえ、当日の午前中は講義を聴き、その後、お昼を食べたという事情があって、40分も眠ってしまったのは不覚だったが、内容はおぼろげながらにわかった(と言い訳)。

 おもしろいのは、レシピのようなものがあっても、現在のように分量も書かれていなければ調理の時間も書かれていないということ。バッハの時代以前の古い楽譜と同じで、解釈は人それぞれ。だからこそ、仕上がりは百人百様となる。

 と、それよりも驚いたのは国際子ども図書館の建物だ。明治期の建築物で、重厚で荘厳、品格がある。さらに現代建築の粋を加味し、見事に新旧が調和している。エントランスや階段の手すり、外観の一部などを強化ガラスで補強し、元の形や素材のテイストを損なわずに安全性を高めている。裏庭へ行くと、アーチ型のモダンな別館があって、さらに驚く。

 各部屋の装飾や調度品も見事のひとこと。建物だけを見ても飽きない。一緒に行った友人が「ここに泊まりたいなあ」と何度もつぶやいていたが、同感である。

 これまで、日本は歴史ある建築物を壊し続け、新たに建てることばかりをしてきた。現代建築の技術を活かしながら古いものを残すという試みは、東京にはたくさんある。そういう建物を探して歩くというのも興味深そうだ。

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。今回は「いい時も悪い時も同じ」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(180805 第832回 写真は国際子ども図書館)

 

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