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ココロバエ
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潤いのある街

2018.06.06

 仕事の合間、浜松市の中心部を歩いた。一見して、緑が多い。街路樹は大切にされているようだ。幹だけを残して枝をバッサリ切るような無粋なこともしていない。

 とりわけ浜松城近辺の景観は、見事だ。写真上は、浜松城の裏側から見た光景だが、幼い頃からこういう景色を見ていたら、情緒が育まれるのは当然だろう。汚い野立て看板ばかり見て育った人とは明らかにちがいが生じるはずだ。

 私の都市の見方は、まず第一に「景観が美しいかどうか」。現在、緑が多く美しい街と、緑がなく雑然とした街の二極化が進んでいると思う。

 浜松市はアートの街を標榜しているらしく、30ページほどの美術案内冊子が無料で配られている。その裏表紙で木村圭吾なる日本画家を知り、さっそく個展会場の平野美術館へ行った(写真下)。

 一瞬、加山又造の桜? と思ったが、微妙にちがう。自分の作品の使われ方にこだわりがないのか、プレイステーションのポスターにも使用されている。作品の品位は明らかに下がるだろうが、認知度を上げているのは明らかだ。新たに若者のファンもつくだろう。そういえば、受付では作品のパズルが販売されていた。こういうスタイルも、あるところまでは必要なのかもしれない。もちろん、そういう作家の作品を所有したいかとなると、話は別だが。

 その後、浜松市美術館で開催されている「THE 日本洋画150年展」を見た。こちらは時代を超えて残った傑作ばかりだ。高橋由一、浅井忠、黒田清輝、岡田三郎助、藤島武二、岸田劉生、小出楢重、梅原龍三郎、佐伯祐三、熊谷守一、青木繁、村山槐多、小磯良平など、錚々たる面子が並ぶ。

 感性を磨くにはどうすればいいか。

 本物に触れることだ。本物に。

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。今回は「生涯、自分を支えてくれる言葉を見つける」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(180606 第817回 写真上は浜松城公園から見た浜松城。下は平野美術館で開催されている木村圭吾展のポスター)

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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