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ココロバエ
美し人

東西ふたつの港町の洋館の見せ方

2017.11.29

 横浜市山手にいくつもの洋館がある。神戸市北野にも異人館がある。いずれも瀟洒な港町として知られる。しかし、洋館(異人館)の活用の仕方は180度ちがうといっていい。

 

 まずは神戸の異人館。今までに2度訪れたが、その都度「来なければよかった」と落胆した。とにかくひどい。チケットの売り場は街のあちこちにあり、「商売」に熱心なのはわかるが、展示の仕方が最悪なのだ。

 今年の春も3館共通券を買って行ってみた。今ネットで見ても、どの異人館に行ったかわからないくらい印象が乏しい。なにしろ部屋の中は「ここにどういう有名人が訪れたか」などを説明する紙や写真が所狭しと貼られている。どうやったらあのようになるのだろうと思うくらい、雑然としている。「おみやげ屋じゃないの?」と言いたくなるくらい商品が並んでいる建物もその「3館」のひとつに数えられていた。たしか3館で1,300円だったと思うが、タダでも行く気になれない。

 いっぽう、横浜の洋館は保存、維持、展示のいずれにおいても洒落ている。周囲と調和した建物外観、張り紙などはほとんどなく、昔日の佇まいを現代に再現している。案内も地元のボランティアが担当し、すべて無料だ。

 いったい、東西ふたつの港町で、どうしてこうも活用法が異なるのか。単純に関東人気質、関西人気質と割り切っていいものか。たまたまこうなったのか。考えてもわからない。

 わかるのは、神戸の異人館には行かない方がいいということ、横浜山手の洋館めぐりは一日をじゅうぶん堪能できるということ。

 

 これから、地方自治体同士の競争が始まる。地域にある観光資源をどう活用するか、それも優劣を分けるポイントになろう。そのための極端な事例が、東西ふたつの洋館に現れている。

 

 

 

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(171129 第770回 写真上は横浜市山手にあるべーリックホールの階段。下はエリスマン邸外観)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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