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生き物と暮らすということ

2017.11.17

 今から7年前ほど、交誼のある盆栽家・森前誠二氏の経営する「銀座雨竹庵」でケヤキの盆栽を買った。以来、生活をともにしている。

 高さは17センチほどだが、ゆうに30歳を超えている。小ぶりで凜とした樹冠が私の目を射止めたのである。

 名前を「左馬之助」とした。「ヒダリウマノスケ」ではなく「サマノスケ」である。勇ましい名前だろう?

 今年は今まででいちばんの紅葉だった。10月、寒い日が続いたためであろうか。おかげで毎日、リビングで紅葉狩りができる。贅沢なものだ。

 若い頃は、盆栽など年寄りの慰みものだと思っていた。しかし、今はそうは思わない。なんというか、うーにゃんと同様、家族なのである。人間の家族はそうそう増やせないが(現に子供は一人だけであった)、植物ならまだまだ増やせる。

 時に声をかけたり、幹を撫でたり……。

 夜、ベランダから部屋に入れる盆栽は他にイチョウ、ミツデイワガサ、イヌビワの3つ。左馬之助以外、名前はついていない。

 たしかに生き物の面倒をみるのは大変だ。御年18歳のうーにゃんはクリニックと切っても切れない関係になってしまったし、そのつど費用もかかる。盆栽も水やりなど、絶えず注意をはらう必要がある。

 それらをムダなものと見る人もいるだろう。そうなのだ。生き物と暮らすということはムダばかりなのだ。子供はその典型かもしれない。

 しかし、だからこそ他では得がたい感動がある。

 さて、左馬之助は、そう思う私をどう思っているのだろう?

(171117 第767回 写真上の背景はエッセイ集『多樂スパイラル』の表紙に使われた、宮坂健氏の『方舟の漂着』)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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