多樂スパイス

着物デビュー

2009.01.04

 ついに着物を買ってしまった。

 『fooga』2月号の特集は着物スタイリスト・石田節子さんを取り上げるが、石田さんが経営する銀座の店舗での取材を終えた後、これも何かの縁と思い、一揃いをコーディネートしていただいた。右の写真は羽織だが、羽織裏は鳥獣戯画のデザインである。

 最近、友人と日本の文化や歴史について語り合う時間が増えたが、最後には決まって、「われわれも日本人なんだから着物を着ないとね」で落ち着く。

 しかし、私は着物を持っていない。御多分にもれず、あまり興味がなかったからだ。

 ところが、最近炭焼き師の原伸介さんと会う機会が増えたり、雑誌などで和装の男の写真を見る機会が増えたり、ジワジワと「着物包囲網」に巻かれていたのであった。そこへもってきて石田さんとのご縁があり、一気に「陥落」してしまったのである。

 さて、仕立て上がった私の着物は、まだ畳まれたままだ。着付け教室できちんと着方を教えてもらわないと自分では着られないのである。

 今年は『Japanist』を発行するわけだし、まず自分がJapanistにならなければならないと思っている。だから、週に一度くらいは着物で仕事に出かけたい。たぶん、気持ちの張りがちがうんだろうな。仕事の質も変わるかもしれない。気が漲るというか……。仕事ばかりではない。遊びも楽しくなりそうだ。着物を着て屋根を開けたアルファロメオに乗るのはどんな気分だろうと今からワクワクしている。まあ、いずれにしても変わり者のそしりは免れないだろうが、それは子ども時分から味わっていたこと。

 そう言えば、トンビコートも買ってしまった。中原中也などが着ていた “アレ” である。着物の上にトンビコートを羽織れば、いやおうなしに文士気分だ。世間がとんでもなく暗いのだから、とんでもなく肯定的にいきたいと思っている。

(090104 第82回)

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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