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植物の驚くべき能力

2017.01.19

%e6%a4%8d%e7%89%a9%e3%81%ae%e7%a5%9e%e7%a7%98%e7%94%9f%e6%b4%bb 今年の正月、『植物の神秘生活』(P・トムプキンズ+C・バード著)という大著を読んだ。

 実はこの本、一昨年亡くなられた師・内海隆一郎先生からお借りしているものだ。
 ある時、植物の話題になり、先生はおもむろに書棚からこの本を取り出し、「高久さん、この本、読んだことありますか」とおっしゃった。
 見たこともない表紙だった。「いいえ」と答えると、
「それならぜひお読みなさい」と渡してくれた。
「では、なるべく早く読んでお返しします」と言うと、
「いいえ、返してもらわなくてけっこうです。ずっとお貸しします」とおっしゃった。
 それから1年ちょっとで先生はあの世へ行かれた。
 形見分けだったのだろうか。以来、そう思うようになった。
 そんなわけで、この本は死ぬまでお借りしているつもりである。近くに置いておくだけで、見守ってもらっているような気がする。

 

 ところで、この本、植物の驚くべき能力の話が満載である。ひょんなことから植物の能力に気づいたCIAのウソ発見器技術者、クリーヴ・バクスターの実験をはじめ、さまざまな人による実験や調査の内容が書かれている。
 これを読んでわかったことは、植物は「なんでも知っている」ということ。動かないで、じいーっとわれわれの動きを見ている。いや、見ているだけでなく、心の中まですべてお見通しだ。
%e3%83%84%e3%83%8f%e3%82%99%e3%82%ad レールスという人が語っている。
「リンゴはなぜ落ちるかをニュートンは説明した。少なくても、説明したとかつては思われた。しかし、リンゴがなぜそこまで高く上がったかという、落下現象と相関関係にありながら遙かに難しい問題を説明することは、ニュートンにはまったく思いつきもしなかった」
 その通りだと思う。アメリカスギは90メートル以上も樹液を吸い上げるが、人間が設計した最良の汲み上げポンプでさえその10分の1以下の高さしか吸い上げられないことを思えば、植物の営みは実に不思議である。

 この本を読んで得たことは、植物を見るたび、やみくもに感謝するようになったこと。彼らはなに食わぬ顔で元素を変成し、人間をはじめ、その他の生き物がこの惑星で生きていけるよう、手を貸してくれている。
 ——自然は受け身で受容力のある人にのみ、その真理を伝授してくれる。
(170119 第694回 写真上は『植物の神秘生活』の表紙、下は新宿御苑のツバキ)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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