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少しずつ進化する

2016.10.25

No.31 表紙&表4 『Japanist』の第31号が仕上がった。

 表紙を飾っているのは、「ジャパニストの美術散歩」でも紹介している日本画家の平松礼二氏。『文藝春秋』の表紙を12年も務めた方だから、美術に興味のない人も知っているかもしれない。
 若い頃のある時期を除き、ずっと在野を貫いている。団体に属さず、徒手空拳で勝負しているということだ。それだけでも〝私好み〟だが、作品も素晴らしいのひとこと。日本画の伝統を踏まえたうえで、独自のスタイルを構築している。これは簡単にはできないことだ。喩えていえば、野球選手が自分の体にピッタリのピッチングフォームやバッティングフォームを完成させたことと同じ。たゆまぬ努力と創意工夫がなければ、とうてい到達することはない。
 その作品に触発されて、ひとつの試みをした。それが右上の写真。表紙と裏表紙を一枚の絵でパッケージングした。これは裏表紙に広告を掲載しない(できない?)、あるいは編集会議にかける必要がないからこそ実現できたこと。ちなみに、本誌のための編集会議をしたことが一度もない。
 巻頭対談のゲストは、漫画家の弘兼憲史氏。あの「島耕作」シリーズの作者である。漫画家を志して以来、どのような変遷をたどって現在の状況に至ったのかがわかる。私は積極的に漫画を読むことはしないが、弘兼氏の作品はリアリズムがあって面白い。国際ビジネスやその背後にある政治の動きも架空の物語とは思えない。思想的にも『Japanist』にバッチリ合った方だ。
 「じぶん創造物語」では、ギャラリー「銀座一穂堂」のオーナーである青野惠子氏を取材。幼少の頃から美しいものが大好きで、今はさまざまなアーティストの発掘に努めている。本誌30号で紹介した写真家の若杉憲司氏も青野氏の目に叶った作家だ。
 第2号から30回連載してきた「旨い純米酒を求めて」は今回で最終回。これまで取材してきてわかったことを、私と中田宏さんで〝純米酒を飲みながら〟語っている。いい体験を語り合うというのも至福の時である。
 信念をもって酒造りをしている酒蔵ばかり訪ね歩いたが、いい結果を出すにはそれなりの理由がある。全体的には凋落傾向のある日本酒業界だが、経営努力をしているところは確実にファンを増やしている。その秘訣をまとめてみた。
 その他の記事も加えて、本誌は着実に進化していると自負している。
(161025 第674回)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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