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都市の個性と品格

2016.10.17

%e7%a5%9e%e6%88%b8%e3%81%ae%e8%a1%97%e4%b8%a6 先日、新聞の投書欄を読んで、なるほどと思った。投書の主は千葉市在住の方だ。それによると、JR千葉駅から伸びる大通り沿いに、かつては仙台と同じように素晴らしい街路樹があったらしい。しかし、モノレールを通す際、伐採してしまったという。それを悔やんでいる内容だった。

 合点がいった。千葉市の繁華街を歩いて、なんと殺風景な街かと思った記憶があるからだ。これが政令指定都市か、と。
 街路樹をどう扱っているかでそこに住む人たちの民度がある程度わかると言ったら大げさか。事実、品格のある街には必ず歴史的建造物と立派な街路樹がある。
 本来、先人が植えた街路樹を、たまたま現代に生きるわれわれが勝手に伐採する権利はない。木は大きくなるまでに長い年数を要し、その間、多くの人たちが手入れをし、そして多くの住民の記憶に刻まれている。それを適当な理由をつけて伐採するのは、文化的遺産を壊すのと同じである。
 たしかに、バカなことをするのは一部の強欲な人たちかもしれない。しかし、それを許しているのは住民だということを認識すべきだ。

 

%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%9b%e3%82%9a%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%99 いま、元フランス料理のシェフの人物伝を書いている。不思議なもので、13年前に書いた『魂の伝承 アラン・シャペルの弟子たち』の中に出てくるその人の名前から、この本の企画は始まった。書物は時間を超えて生きているのである。
 そのための取材で再び神戸を訪れたが、とてもいい街だと思う。前方に港を望み、背後には六甲山や麻耶山が悠然と鎮座している。街路樹と建物のバランスもいい。なにより、センスが良くてレベルの高い個人の飲食店やカフェがたくさんある。そういう店は地元の人に支持されなければ生き残れないはずだが、いいものを求める文化が根強くあるのだろう。人口150万人というのもちょうど適当な規模なのかもしれない。歩いていて飽きない街だ。
(161017 第672回 写真上はJR三宮駅前の風景。下は街のいたるところにあるフラワーポッド)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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