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紺碧の将

ナメクジの歩みの『Japanist』

2016.07.23

No.30 表紙&表4 亀の歩みという言葉があるが、めまぐるしく移り変わる現代にあって、『Japanist』の歩みは亀以下、ナメクジのようなものかもしれない。

 

 ようやく30号を重ねた。週刊誌であれば半年強、月刊誌であれば2年半で到達する数字だが、『Japanist』は7年半もかかっている。いやはや……。

 第30号の巻頭対談は、演出家の浅利慶太氏の登場。学生時代、仲間たちと劇団四季を立ち上げ、その後、ブロードウェイの名作を紹介しながらオリジナルのミュージカルを上演するようになるまでの経緯などを詳しく語っていただいた。
 どの世界でも言えることだが、先駆者の情熱と努力は並大抵ではない。
 これまで私は舞台美術にあまり縁がなかったが、この取材を機会にいろいろなものを観てみたいと思っている。
「ジャパニストの美術散歩」は、写真家の若杉憲司氏を紹介している。
 右上の表紙の写真、これを撮った方が若杉さん。自然光の陰影が美しい日本家屋の襖に、別のオリジナル写真を合成し、あたかも実存する家屋のように見せる手法は、デジタル技術が発達した今だからこそなしえたこと。完成された世界は寸分狂いないこの世の秩序と同じ。静と動が躍動する世界を堪能してほしい。
 ちなみに若杉さんは御歳75歳。今でも重い機材を背負って世界を旅する。
「若杉さん、若過ぎますよ〜」
 連載記事の中では、最近本ブログでたびたび登場する近藤隆雄氏の「ほんとうの憲法の話をしよう」が秀逸。というか、目から鱗が落ちるとはこのことか! というくらい勉強になった。
 現憲法はアメリカ政府から押しつけられたものという認識をもった人が多いが、そうではなく、もっと深い意味があったという近藤さんの説はじゅうぶん納得できる。説得力のある論旨と表現力だ。
「転換期のキーパーソン」ではお二人を紹介。
 株式会社日本レーザーの代表者である近藤宣之氏は、社員と一丸になって親会社から株式を取得し、独立を果たすという前例のないことに挑戦し、見事成就。森智宏氏率いる株式会社和心はかんざしをはじめとして、日本の〝名雑貨〟を世界に広めている。
 その他、いろいろあるが、紹介はこのへんまで。本サイトでの販売は7月25日から開始します。
(160723 第652回)

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