多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 本質的経営のお手本を1冊にまとめたら

本質的経営のお手本を1冊にまとめたら

2015.08.18

kizuna 表紙 今春から手がけていたムック『Kizuna』が完成した。親子農業体験塾の『Takenoko』、清掃活動の『Souji』に続く、第3弾である。

 依頼者は広島市で住宅リフォーム業を営む株式会社マルコシの木原伸雄氏。創業50周年を記念して、地域に根ざす同社の取り組みを1冊にまとめることにしたのである。
 世に、多くの会社がある。私も2社経営をしているのでわかるが、会社を維持するのは面白い反面、大変な苦労もある。一説によれば、10年続く会社は全体の約4%、その4%の会社がさらに10年続くのは5%ほどだという。つまり、20年続く会社はそれだけで希少価値があるということだ。
 そのうえ、「企業30年説」もある。企業が30年以上続くのは極めて困難だそうだ。わが社は創業から28年半近く。あと1年半で30年という大きな節目を迎える。
 実際、あちこちに金属疲労が見える。それをどう修正しながら生き残りを図るのか。そこに経営者の経営観と哲学が問われるのであろうが、芯を定めながら身軽にし、世の流れに対応できる柔軟性を磨くということだと思っている。

 

 ところで、『Kizuna』であった。ここには、「企業が地域に根ざすということはどういうことか」「顧客から共感される経営とは」など、本質的な問いに対する答えがぎっしり詰まっている。はっきり言って、このスタイルをすぐに真似るのは不可能だ。10年、20年と長い時間をかけてじっくり醸成する以外にない。だからこそ、他社との差別化になりえる。
 ほとんどの企業はそれができないから、「地域のため」「お客様への感謝」と称してとってつけたような安売りをする。安売りをするには、どこかで辻褄を合わせなければいけないから、品質を落としたり手を抜いたりする。あるいは、法を犯してまで数字を繕う。
 そういう事態は、経営者自らが望んだことなのだろうか。あるいは、やむをえずそうなってしまったのだろうか。もし、後者であれば、一度立ち止まって、じっくり考える必要がある。
 いずれにしても、マルコシ社の取り組みは全国広しといえど、他に例がないと思う。こういう経営を続けることができれば、100年だって支持されるだろう。
https://www.compass-point.jp/book/
(150818 第572回)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ