多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 風流な〝富貴の塔〟

風流な〝富貴の塔〟

2015.02.01

フキノトウ初日 正月明け、梅の盆栽を求めて銀座の雨竹庵を訪れた。『Japanist』でご紹介した盆栽家・森前誠二氏の店である。

 残念ながら梅はなかったが、替わりに、フキノトウの鉢植えをいただいてしまった(写真右)。
 フキノトウは天ぷらにして食べるというイメージしかなかったが、なんとも可愛らしい姿である。聞けば、雨竹庵では正月明け、日頃お世話になっている人たちに感謝の気持ちを込めてフキノトウの鉢植えをプレゼントしているという(店頭販売もあり)。
 添えられていた挨拶状に、次のような文言があった。
──フキノトウは〝富貴の塔〟の当て字で縁起良く、寒中にしっかりと擬宝珠に似た姿を育み、〝宝の芽がたくさん出ますように〟の願いを込めています。
 さすがは森前さん、風流である。
 以来、リビングのテーブルにフキノトウの姿がある。
フキノトウ、咲く おかげで、日一日と蕾が膨らんでいく様子を間近で見ることができる。
 正月はバカ笑いしているテレビ番組ばかりで、うんざりすることが多いが、こういうセンスもいまだ健在なのが救いである。ちなみに、私はふだんほとんどテレビを見ないが、正月はますます見たくない。あのような番組を延々何時間も見ている人の忍耐力はなまじっかではないと感心するのだが、皆さんはいかがだろうか。 
 気がつけば、フキノトウもこんなに花開き、2015年も最初の一ヶ月が終わってしまった。
 けっして日常をルーティンに堕してはいけないと思いつつ、決まったことをコツコツ続けることも大事だ。そのバランスをどのあたりでとるのかということが、その人の生き方のセンスなのだろう。
 不易流行とは? という公案を日々、突きつけられている気がする。
(150201 第542回)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ