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ココロバエ
美し人

神人合作

2013.12.17

タムケヤマモミジ 朝起きると、ひとまずヤッカイな仕事をする。「ヤッカイな」、とは「難易度が高い」ということであり、「集中力が必要な」とも言い換えられる。

 そういう仕事をやっつけた後、心地よい充足感を味わいながら、新宿御苑の門をくぐり、しばしジョギングをする。なにしろ、自宅から門まで徒歩10秒。これはもう自分の庭のようなもんである。年間たった2000円で、使い放題。しかも、メンテナンスもすべてやってくれる。こんなありがたい行政サービスはなかなかあるもんじゃない。目下のところ 、新宿御苑を走ったり、明治神宮御苑(こちらは徒歩8分)を歩いたりするのは、私にとってとても贅沢な時間である。

 新宿御苑にしても明治神宮御苑にしても、なにが素晴らしいかって、神と人との合作だということ。自然界にはありえない大木が、何十本とある。もちろん、白神山地のブナのマザーツリーや屋久島の屋久杉など、自然界にも大木はある。しかし、ある限られたエリアに信じられないような大木が数十本もあるのは日本広しといえど、そうざらにはないだろう。スズカケ、ケヤキ、イチョウ、ユリの木などの大木は、神(自然)と人間が力を、いや、心を合わせたからこそできたのだと考えている。新宿門の近くにスズカケの大木があるが、胴回りはゆうに2メートル以上はある。近くで見ると、木というより、巨大な岩石のようだ。当然、彼女が発するオーラはただものではない。私は勝手に自分の守り神と決めつけ、必ず挨拶し、タッチして帰ってくることにしている。

 自然に対して敬意を忘れず、適度に人間の手を貸す。これが神人合作の妙だと思う。

さあ、踊ろう ところで、新宿御苑にある銘木は大木だけではない。私はさまざまな木に魅了されているが、タムケヤマモミジもそのひとつ。葉っぱが細かく、密集しているのが特徴だ。ふだん、外から見ると右上写真のような姿だが、内側に入ると、ほ〜らご覧の通り。クネクネと曲がりくねった枝がとてもユーモラスだ。さあ、いっしょに踊ろうよ、とでも言っているかのようだ。

(131217 第474回 写真は新宿御苑のタムケヤマモミジ)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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