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有限だからこそ輝くいのち

2013.05.17

100年カレンダー 最近、あと何年、元気で生きられるのだろうと考えることがある。

 私は「100歳まで現役」を公約としているが(政治家でもないのに)、こればかりはわからない。

 どうして、残りの年数を考えるようになってしまったか。答えは簡単だ。やりたいことが山ほどあるのに、命は有限だということにようやく頭と体が気づいたからだ。

 

 昨年、『Japanist』の対談の取材で長野県の伊那食品工業を訪れた。塚越寛会長の部屋にドキッとするものがあったので、思わず撮影をしてしまった。それが右の写真。

 100年カレンダーという。生まれたばかりの幼子を除き、ほとんどの人の命日がこのカレンダーにあるというわけだ。

 日本では古来、死は穢れとされてきた。だから、直接的に「死」と言わず、まわりくどい表現がされている例が無数にある。なにゆえ、それほど遠回りな表現をするのかと訝しむが、それが日本人の習いなのである。言葉でさえそうなのだから、映像で死体を映すわけがない。先の大震災の報道でも、海外のメディアは多くの死体が転がっている映像を流すこともあったが、日本ではいっさい放映されていない。死者は神になったのであり、また、穢れでもあるからだ。

 それはともかくとして、やはりそれぞれに死生観をもつことは大切だと思う。前回も書いたように、「たった今」を大切に生きるには、命の有限さに気づいていることが絶対条件だ。

 さらに、ずっと健やかに生きるには、考え、判断する力が必要だと思う。

 今、常識的には、「一日3食・33品目」「なるべく高タンパク質」「水をこまめにとって塩分は控えめ」がいいとされている。重い病気を防ぐために「早期発見・早期治療が」が必要だとも叫ばれている。

 しかし、その結果、日本人の健康状態はどうなったか。年間約38兆円もの医療費を費やし、平均すると死ぬ前の約10年間は病人として生きているのである。本当に巷間言われている「常識」が正しいのであれば病気は減るはずだが、むしろ増えているという事実を見れば、盲目的に「常識」を信じる方がおかしい。今言われている「常識」には医者や製薬会社や食品メーカーなど、あるいは日本を弱体化させようという勢力の思惑が反映されているのではないかと疑うべきである。

 もちろん、その中には正しいものも含まれているだろう。だからこそ、それら真贋を見分ける目が必要なのだ。その上で、ほんとうに今の医療や栄養学が正しいのか、人間ドックやサプリメントが自分にとって必要なのか、判断するべきだ。

 最近、その道(医療や食養)の分野で信頼に足るであろう方々に会う機会が増えている。あるいは、「これは信用できそうだな」という書物に出会っている。それらで語られていることは、世間で言われていることと真逆のことが少なくない。

 これまで懸命に働き、さまざまなものを蓄えた人でさえ、ひとたびがんなどの重病に罹れば、それらの財産を手放してもいいから病気を治したいと思うはずだ。本来、それほど健康は大切なことなのに、それを維持することに留意しない、あるいは関心をもたないというのはどう考えても賢明ではない。

 創業以来26年間、未だ病気で仕事を休んだことのない私は、さらに意識を高め、100歳まで現役で楽しく仕事を続けたいと思っている。

 さて、このカレンダーのどの部分に自分の命日があるのだろう。

(130517 第424回 写真は100年カレンダー)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく陰陽相和す中庸を求める

■本は永遠の師匠

バルザック、ユゴー、デュマなど19世紀フランス文学からヘミングウェイ等の20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの御三家からワーグナーまでのドイツ音楽、フランク、ラヴェル、フォーレなど近代フランス室内楽、バルトーク以降の現代音楽まで、あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■映画は総合芸術だ

『ゴッド・ファーザー3部作』などのマフィアもの、『ニュー・シネマ・パラダイス』、黒澤明のほぼ全作品、007シリーズ、パトリス・ルコント監督作品など、こちらも雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■歴史上の尚友

尊敬する偉人の双璧は、大久保利通と徳川家康。他に幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介。理想主義者、ロマンチストより結果を出したリアリストを評価する

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■隠れ目標

死ぬまで同じライフスタイル

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■追記

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす。かなりの猫好き(愛猫・海=2019年没)、2019年9月、「じぶん創造大学」を設立し、自ら入学(生徒数1名)

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